公演情報

日本劇団協議会主催
佐藤信「喜劇昭和の世界」三部作
『ブランキ殺し 上海の春』
ご予約は▼
https://www.quartet-online.net/ticket/blanqui

2017年10月28日(土)〜11月5日(日)
ザ・スズナリ

作:佐藤信
演出:西沢栄治
音楽:諏訪創
振付:スズキ拓朗
プロデューサー:流山児祥

出演
山ア薫 山下直哉 山丸りな 五島三四郎 廣田裕美
さとうこうじ 宮崎恵治 眞藤ヒロシ 佐野陽一
鈴木幸二 木下智恵 有田杏子 江口翔平
龍昇 甲津拓平 森諒介 竹本優希 流山児祥

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お店等に貼っていただける方、ご連絡ください!!
流山児★事務所 
TEL03-5272-1785(平日13:00〜17:00)
mail@ryuzanji.com

流山児★事務所
2017年度新人募集
《二次募集》
劇団で活動することに興味がある人を募集します。

【募集人員】
6名 (俳優・スタッフ・制作)
18歳以上35歳未満。
国籍不問。心身ともに健康な男女

【第一次審査:書類選考】
以下を流山児★事務所まで郵送してください。
(1)履歴書(連絡のつく電話番号とメールアドレスを記載のこと)
(2)写真1点(バストアップ)
(3)作文「流山児★事務所に入団してやりたいこと」(400字程度)


【第二次審査:実技・面接】
書類選考通過者のみ、連絡いたします。
※実技審査料3,000円は当日持参のこと。
※スタッフ・制作は面接のみ(無料)です。

【入団後の活動】
流山児★事務所の活動に準じていただきます。
優秀な新人は劇団公演、海外公演などに参加できます。

【入団後の費用】
(1)入団金:50,000円
(2)研修費+稽古場維持費:月額10,000円(月納)
※入団1年後には稽古場維持費:月額5,000円のみとなります。

【お問合せ・応募先】
流山児★事務所 新人募集係
〒162-0045 東京都新宿区馬場下町60番地 まんしょん早稲田307
TEL:03-5272-1785(平日13時〜17時)
E-MAIL:mail@ryuzanji.com
CD/DVDを買う
続オールド・バンチ〜復讐のヒットパレード!〜 DVD

続々オールド・バンチ〜カルメン戦場に帰る〜 DVD 「続オールド・バンチ〜復讐のヒットパレード!〜」「続々オールド・バンチ〜カルメン戦場に帰る〜」DVD発売中!
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これも素敵な「劇評」です。
俳優:渡辺修さん

流山児事務所の「SCRAP」を観た。

先日読み終わったばかりの「猪飼野少年愚連隊」は、ちょうど同じ時期の違う場所の物語で、この中にもアパッチ族の何人かが警察に追われ射殺されるエピソードが出てくる。


少年愚連隊(小学生)の仲間であった作者がこの街を出、成長し、時をおいてこの街を訪れ、旧友と会い来しかた行く末を思うという構成も似ている。


どこかノスタルジックな追憶の思いの色の濃いこの物語の筆致と、「スクラップ」が違うのは、やはり人間が生きるために蠢いている姿を目の当たりにするというダイナミズムがあるからだ。冒頭のかつてのアパッチ村への再訪から、アパッチの住人達の食事のシーンへの転換に、あっという間に引き込まれた。食らいかつ飲み、喧嘩をし恋をし悩み惑う。

「夜を賭けて」や「日本三文オペラ」とかつて読んだ世界が別の、新しい物語新しい芝居として現れてきた。歴史の闇に葬られた四三事件を体験した済州島の人達が逃げて来た大阪。猪飼野やアパッチ部落。繁栄の最底辺で必死にエネルギッシュにふてぶてしく生きる姿を確かに見た。ホルモンやマッコリの匂いに満ちたアパッチ部落から、夜の大阪砲兵工廠の空間へ。警察の取り締まりから逃れて、闇の中で語り合う自分達の身の上、過去、今、未来。動から静への鮮やかな切り返し。四三事件で目の前で両親を虐殺され声を喪った少女の哀切。「北」への帰還という選択への葛藤。そして、アパッチ部落の終焉。様々なテーマ、エピソードがギュウギュウに詰め込まれた熱い演劇だった。


猪飼野で結成された明友会という新興やくざ組織と、山口組の全国制覇への出発ともなった抗争である明友会事件の尖兵部隊となって活躍した柳川組。「殺しの軍団」と呼ばれた柳川組もまた朝鮮人のやくざ組織であり、警察の頂上作戦の標的となって解散に追い込まれた。ここにも頂上作戦という衣を纏った警察機構の恣意的な野心が透けて見える。


OKINAWA、OSAKAと来て、さて次はどこへ行く。

2017-07-09 21:47 この記事だけ表示

とても素敵で鋭い山田勝仁氏(演劇ジャーナリスト)の「劇評」が出ました。

福田善之1964年の作品「袴垂れはどこだ」は圧政に苦しむ寒村の村人たちが幻の義賊「袴垂」を求めて、ニセの袴垂れ集団となり旅に出る物語だった。

 60年代アングラ小劇場に通底する、「ここではないどこか」を希求する若者たちの姿はシライケイタの前作「舞台版 実録・連合赤軍あさま山荘への道程」 の、理想の世界を求めながら破滅していく若者たちの姿と重なる。


 そして今、SPACE早稲田で上演中の日本劇団協議会主催「SCRAP」は1950年代末に大阪城の東側一帯にあったアジア最大の軍事工場「大阪砲兵工廠(こうしょう)」跡地で屑鉄泥棒で生計を立てる通称アパッチ族の若者たちを描いたもの。彼らのほとんどは在日朝鮮人。戦後、疲弊した日本経済が立ち直るきっかけになったのが1950年に勃発した朝鮮戦争で鉄、金属が高騰したこと。同じ民族間の戦争による経済恩恵で息をつくという不条理を在日朝鮮人たちは味わった。


 開高健「日本三文オペラ」、小松左京「日本アパッチ族」などの小説で取り上げられたことで「アパッチ族」の名前は一般的になった。舞台では坂手洋二作・金守珍演出の「東京アパッチ族」が90年代末に上演された。


 今回は、アパッチ族の出自と設定する「韓国・済州島四・三事件」が芝居のモチーフとなっている。

 戦後、アメリカ陸軍司令部軍政庁支配下にある韓国の済州島で自主独立を目指した島民の蜂起に対する大弾圧。国防警備隊、韓国軍、警察、右翼青年団などが女子供含む島民30万人のうち6万人を虐殺した事件だ。


 戦争が終わり、民族の独立を果たしても、米ソ東西陣営の軍事的駒として引き裂かれた南北朝鮮。
 南では虐殺、一方で、「地上の楽園」といわれた「共和国」への帰還運動の結末の痛ましさ。 シライケイタ(役者としても出演)は「あさま山荘」と同じく、「理想」を求めながらも裏切られていく若者たちの悲痛な叫びに主眼を置いている。


 四方を客席が取り囲む狭いスペースを使い、猥雑でエネルギッシュなアパッチ族たちの跳梁と内省的な「静」の場を描き分ける日澤雄介の切れのいい演出が光る。 月船さららが胸の奥に哀しみを秘めた「パイコ」をいつにもまして艶っぽく演じ、景品買いの清水直子は気のいい在日のおばさんを、ホンミョンファ(洪明花)は、気風のいい姐御肌の妻を、佐原由美は言葉を失くした儚げな少女を、それぞれ濃密に演じた。


 男優陣がまた素晴らしい。 アパッチたちを統べる「組長」栗原茂の重厚篤実な芝居、アパッチの頭脳ともいえる「ハカセ」シライケイタの軽妙な芝居、舞台の要であり、唯一の日本人で彼らに溶け込んでいく「ヒノマル」西條義将(在日が彼につけたヒノマルという愛称は、戦時中の陰惨な記憶に結びつくだろうから、この愛称にはちょっと違和感あるが)が舞台を引き締める。障がいがあるゆえ、お荷物になることを拒む「カカシ」上田和弘の哀しみ、何かにつけハカセと角突き合わせる肉体派「ブル」イワヲ、舌先で鉱脈を嗅ぎ当てる「グルメ」里美和彦、遠い世界を夢見る「トオル」木暮拓矢、逃げ足の速さはピカイチの「トンチ」伊原農。 イワヲの目の演技がいい。いろんな役どころを観てきたが、今回の芝居は役者として実に魅力的。「あったことをなかったことにしてはいけない」というのが、この作品の底流にある主旋律だろう。


生きることは食うこと。食うことに人間の「生」のダイナミズムを象徴させる冒頭の徹底した演出が面白い。ロマンチシズムとリアリズムが切り結ぶシライ戯曲の新展開。2時間ノンストップ。息つく暇もないエンターテイメントに仕上がっている。ただ、現代の視点が勝ちすぎてる箇所が気になった。

17日まで。

2017-07-09 20:59 この記事だけ表示