5(火)2年前に取り残していた大腸ポリープ3ケを削除。2週間の断酒である。夜、大久保地域センターでライター伊藤裕作さんのトークショーで約三十年前に演出した『恐山の女』のビデオを観た。
『恐山の女』(企画原案:伊藤裕作、演出:流山児祥)は1992年2月@鶴見新世界というストリップ劇場で上演されたSMストリップショー。観客参加の一人芝居。いまの時代にピッタリのストリップによるまさに「表現の不自由展」である。近親相姦、父殺し、従軍慰安婦、北一輝から寺山修司まで言葉の洪水である。連日超満員でこのショーに5千人余りの観客が詰めかけたのだから「表現の自由」はあの時代には確実にあったのである。
全く「記憶」に残ってなかったが、観ているうちに急激に思いだした。それにしてもメチャクチャ面白い作品である。スタイリッシュでいい演出である。恐山の女の怨念がアナーキーに躍動するエロティックファンタジー、それにしても当時SMの女王だった瑠花さんが素晴らしい。あの時、わたしには彼女の良さが全くわかってなくて、酷いダメ出しをしていたことを、本当にお詫びしたい。それにしても、瑠花は「存在」そのものがテロルのディーバと呼ぶべき女優である。
瑠花と私の声と手錠をかけられて仏壇に入る観客3人の密室空間が血の亜細亜を経巡るニッポンの戦前・戦後・現在を一気に突っ走る30分。
ホントーに俺って、ずーっと、アホで怖いもの知らずだったんだな・・と、妙に感心して、この感覚を忘れちゃだめだなと、改めて背筋を伸ばしてみた。
