公演情報

流山児★事務所10月公演
瀬戸山美咲(ミナモザ) :新作書き下ろし・演出
『わたし、と戦争』  

2018年10月17日(水)〜24日(水)
@下北沢ザ・スズナリ

MAP

17(水) 19:00
  18(木) 19:00
  19(金) 14:00
  20(土) 14:00 / 19:00
  21(日) 14:00★  
  22(月) 19:00
  23(火) 14:00 / 19:00
  24(水) 14:00

★ アフタートーク開催
 瀬戸山美咲、流山児祥
 ゲスト:長田育恵(てがみ座)

公演詳細

 

WEB予約◎  

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◎流山児祥の大人のための演劇ワークショップ2018参加者募集!◎

【講  師】流山児祥(演出家・俳優・声優/日本演出者協会理事長)
【テキスト】寺山修司『不思議な国のエロス〜寺山版女の平和』ほか。              
【募集人員】20名限定 (先着順、お早目に!)
      40歳以上、経験不問、下記の「全日程に参加できる」方に限ります。

【日  程】2018年10月29日(月)〜11月4日(日) 1週間開催。
【応募開始】2018年9月1日(土)〜※定員に達し次第締切。
【参 加 費】30,000円

【発表公演】11月4日(日)15時・18時開演 ※開場は開演20分前
【場  所】Space早稲田

【お問合せ・お申込み】流山児★事務所 大人のための演劇ワークショップ係
〒162-0045 東京都新宿区馬場下町60ー307
電話 03-5272-1785 Fax 03-3205-9170
Eメール

 

流山児★事務所
2018年度 新人募集
劇団で活動することに興味がある人を募集します。

【募集人員】
6名 (俳優・スタッフ・制作)
18歳以上35歳未満。
国籍不問。心身ともに健康な男女

【第一次審査:書類選考】
以下を流山児★事務所まで郵送してください。
(1)履歴書(連絡のつく電話番号とメールアドレスを記載のこと)
(2)写真1点(バストアップ)
(3)作文「流山児★事務所に入団してやりたいこと」(400字程度)


【第二次審査:実技・面接】
書類選考通過者のみ、連絡いたします。
※実技審査料3,000円は当日持参のこと。
※スタッフ・制作は面接のみ(無料)です。

【入団後の活動】
流山児★事務所の活動に準じていただきます。
優秀な新人は劇団公演、海外公演などに参加できます。

【入団後の費用】
(1)入団金:50,000円
(2)研修費+稽古場維持費:月額10,000円(月納)
※入団1年後には稽古場維持費:月額5,000円のみとなります。

【お問合せ・応募先】
流山児★事務所 新人募集係
〒162-0045 東京都新宿区馬場下町60番地 まんしょん早稲田307
TEL:03-5272-1785(平日13時〜17時)
E-MAIL:mail@ryuzanji.com

情報詳細
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2年間の嘉義との出会いについてのレポート。[台湾嘉義]

故郷に根を張り、世界の舞台に立つ 嘉義の「阮劇団」

2017 / 8月

文・陳群芳 写真・林格立 翻訳・松本 幸子


私には夢がある 鳥のように空を飛び回る

私には夢がある 飛ぶほどに果てしなく

空中をただよい続け

思うがままに

まるで夢の中さながらに

はるかな世界を

鳥のように空を舞う夢が

−−「私には夢がある」


これは、嘉義で活動する「阮劇団」がシェークスピアの『マクベス』に新たな解釈を加えた作品の最後のシーンに登場する歌だ。

全員が遠くを見つめ、平和への思いを台湾語で高らかに歌い上げる。彼らが歌うのは、登場人物の願いだけではない。


今年6月、阮劇団の『マクベス』は、ヨーロッパ三大演劇祭の一つである、

ルーマニアのシビウ国際演劇祭に招かれた。

日本の演出家、流山児祥との国際コラボによるこの台湾語劇で、国際舞台に立ったのだ。

台湾版『マクベス』

嘉義を主な活動の場とし、庶民的な演目を得意とする阮劇団は、西洋の名作の多くを台湾語劇にしてきた。

シェークスピアの『真夏の夜の夢』を改編した『熱天酣眠』、

モリエールの『守銭奴』を改編した『愛銭A恰恰』など、演劇に台湾文化を取り入れようと実験的試みを続けてきた。

2015年には台北芸術祭の招きを受け、汪兆謙団長と団員たちが嘉義東石で牡蠣養殖業者や外国人配偶者、風水師などにインタビューを行ない、フィールドワークを行った。そうした人々の物語を、映像と演劇を組み合わせたドキュメンタリー作品『家的妄想』にし、北部でも公演した。

ローカル色を強く打ち出したこの実験的作品が、流山児祥の注意を引いた。

日本で「アングラ演劇の帝王」と呼ばれる流山児祥が『マクベス』の初公演を行ったのは1988年、ベトナム戦争を背景に、男性間の無意味な権力闘争を描いた。その後も流山児祥は『マクベス』を20数年間に4度上演し、国際的にも評価を得てきた。

2016年はシェークスピア没後400年で、流山児祥が台湾に来て劇団を探したところ、劇作家の鴻鴻の紹介で阮劇団との協力が決まった。こうして新たに女性の観点から、台湾嘉義における新版『マクベス』が演じられることになった。

阮劇団をベースに、台湾全土から出演者が選ばれ、20〜30歳代の30名近い若い俳優が集まり、1カ月半にわたって稽古が行われた。

『マクベス』はすべて台湾語で、歌や踊り、立ち回りもあり、より親しみやすい演出となった。

俳優たちの優れた演技や豊かな身振り、娯楽性に富んだ演出で、欲望への執着や反戦への願いなどが描かれた。

流山児祥にとって、演劇は庶民の身近な芸術であり、パワフルなものだ。

悲劇で終わる『マクベス』だが、彼の演出により、最後はまるで新鮮な空気を吸うように、新たな未来へ向かうように演じることが要求された。激しい戦いや殺戮を経て王となったマクベスは死んでいくが、出演者全員による合唱「私には夢がある」によって、悲劇の中に一筋の希望の光が射すような終幕となった。

演出家の求める「悲劇の中に明るさを見出す感覚」が阮劇団によって再現されたのだ。

2016年の『マクベス』嘉義公演は大きな反響を呼び、今年の台中国家歌劇院(オペラハウス)公演でも満席が相次いだ。

台湾色の濃いこの作品は、6月にはルーマニアのシビウ国際演劇祭で、台湾から初参加の作品となった。

阮劇団は嘉義から世界へと歩み出たのである。

故郷に根差した劇団

劇団設立時の思いを、生まれも育ちも嘉義の汪兆謙はこう語る。高校時代は演劇を見るには台中や高雄にまで出かけねばならず、嘉義で劇団を作ろうという思いが芽生えた。そこで高校演劇部で知り合った盧志杰、陳盈達、余品潔と劇団を作ってしまった。当時、汪兆謙はまだ大学受験を控えた18歳の高校生だった。

2003年の劇団創設以来、汪兆謙は阮劇団とともに3回の変遷を経た。当初の劇団員はみな大学演劇学科に入学したばかりの学生で、夏・冬休みを利用して嘉義に戻り、創作や練習に励んだ。学校で学んだことをそのまま生かし、作品の多くは自分たちの経験から着想した集団的創作だった。

創設6年目に入り、自らの経験だけでは物足りなくなり、名作を演じるようになった。また、かつては民衆の言葉であった台湾語が現代人の生活から姿を消しつつあるのを感じ、より多くの人に自分の母語を知ってもらおうと、汪兆謙は台湾語で演じることにした。

だが名作の上演には困難もあった。例えば、人間関係の疎遠さを描くような作品では、嘉義の人々の共感を呼べない。劇団は模索を続けた結果、世界の名作をもとに、そこに台湾の庶民の生活経験を織り込むことで、地域の言葉に適した作品を作るようにした。例えば、モリエールの『女房学校』を改編し、台湾の薬のCMの口調を取り入れるなどした、庶民的な作品『金水飼某(金水、女を養う)』を生んだ。また、台南の新化に伝わる妖怪蜘蛛の伝説をもとに、3世代のラブストーリー『城市恋歌進行曲(都会恋愛行進曲)』を作るなど、阮劇団は更に成熟した。

2016年に流山児祥と『マクベス』をやるまで、阮劇団は主に喜劇を演じてきた。嘉義では台北ほど演劇を見る習慣がないので、軽快な喜劇をやることで、より多くの人に劇場に足を運んでもらおうと考えたからだ。劇団は都会とは異なる作品を作ることで観劇層を育ててきたと汪兆謙は言う。こうした努力によって、今ではどの公演も客の入りが7割以上に及ぶ。

昨年の『マクベス』で初の悲劇に挑戦した後は、悲劇や喜劇といった枠にとらわれず、広い角度から人生の道理やさまざまなテーマを掘り下げ、芸術の力を人々に示すようになった。

今では嘉義ですっかり有名になり、熱心なファンも抱える。『マクベス』の稽古中、ファンたちは近距離から稽古風景を見たり、団員と直接ふれあう。嘉義の人々に溶け込んだ劇団の様子は、流山児祥にも深い印象を残した。

「阮」とは台湾語で「我々」という意味、そして劇場は人々がふれあい、皆でともに作品を作り上げる所だ。阮劇団は設立時に自らを「帰省劇団」と位置づけた。劇団が嘉義の芸術エネルギーを集める場となることを願い、「自分の故郷は自分の手で」をモットーに、演劇によって社会に幾ばくかの変化がもたらせると信じてきた。

泥にまみれてはいても

それらの実践として、阮劇団は2009年から「草草戯劇節(演劇祭)」を催している。劇団のある嘉義県のパフォーミングアート・センターで青少年が舞台に上がる機会を提供するものだ。第1回は嘉義の高校5校から演劇部が集まり、劇を披露した。その後は範囲を広げ、毎年10月、演劇に興味ある人を対象に、阮劇団が組んだ演劇コースで半年間学んでもらい、最後には作品を作って、翌年春の草草戯劇節で公演を行っている。

参加した多くの青少年は、演劇を通して自らの肉体の可能性を広げ、新たな自分を発見している。例えば、恥ずかしがり屋だった女子大生は、ニンニクを演じたことで、目立たないニンニクも料理の味を大きく左右する大切な役割を持つ事を知り、自信が持てるようになった。またある親は、自分の子供が懸命に役柄の解釈に取り組み、演劇で考えを表そうとするのを目の当たりにしたおかげで、子供を理解できないと嘆くのではなく、より多くの時間をさいて彼らの言葉に耳を傾ける大切さを知ったという。

成果を積み上げ、草草戯劇節は規模も次第に拡大し、今では演劇、映画、マーケット、パフォーマンス、文化講演もある一大文化イベントとなった。春には何十もの芸術団体が集まり、2週間のべ5000人以上の観客を前に公演を行う。

汪兆謙のこれまでの観察によると、観客の多くは近隣の町から来る人で、交通の便の悪い地域に住む人が嘉義県パフォーミングアート・センターにまでやってくることは少ない。辺鄙な地域に住む子供たちはおのずと芸術に接する機会を奪われているのだ。

そこで阮劇団では、いっそ自らが地方に赴けばいいと、2011年から「小地域での公演プロジェクト」を開始、嘉義に70校余りある、児童数100人未満の僻地の小学校で公演を行う。

自費で1年かけて山や海辺の15校を回る。このペースだと小学生が卒業までに1度は劇を見られるというわけだ。児童は地域の地図を描く授業も受ける。自分たちの暮らす環境がいかに特色豊かなものか知ってもらうためだ。こうしたささやかな試みで、子供たちが笑顔をたやさず、心に芸術の種を育ててくれればと、汪兆謙は願う。

芸術が社会に影響力を持つと信じてきた汪兆謙は、人と演劇の距離をなくしたいと考える。

「劇場は人と出会う場であり、ふれあいには楽しい事がつきものです」

観劇の楽しさを8歳から88歳までの人に知ってもらうのが阮劇団の願いだ。

異なるジャンルとのコラボも試す。九天民俗技芸団とともに嘉義と台中を行き来して、太鼓と演劇の交流を披露する。今年は主に九天の団員による、自分たちの物語を描いた実験創作劇『禁区』を演じた。

『マクベス』の成功により、流山児祥との2作目も進行中だ。

今度は阮劇団による脚本で、互いの散らす火花がさらに大きな成果を生むだろう。

嘉義に根を張る阮劇団は、その地から養分を汲み上げ、情熱や力を世界に示す。

汪兆謙はこう語った。「この地を踏みしめる我々は、泥だらけで、あまり美しいとは言えないけれど、リアリティは十分です。

 

2018-06-16 19:54 この記事だけ表示