成都である。3日分の長い長い報告です。
当初は四川人芸関係の劇場で上演予定であったが国家主催の演目が入って急遽、成都理工大学実験劇場に変更して上演許可を待っていた。
23(木)仕込搬入の時、やっと「上演許可が下りて」作業開始。580席の新しいがなかなか使いづらい、スタッフ泣かせの小屋である。が、そこは百戦錬磨、何とか乗り切る。だが、初日まで2日間48時間で580席をどーやって埋める?というのだろう?
24(金)はハードなスケジュール。
明かり合わせ中に急遽、地元成都テレビの取材が入った。初日まで3日しかないので四川人芸の皆さんも「必死な宣伝」である。なんとか夜の8時半のニュースで流したいということでSceneをピックアップして撮影してもらう。わたしとアマノはインタビューと雑誌の取材。なんとか明かり合わせ終了。レンタルの劇場なので使用時間も厳しい。それでも最高のパフォーマンスを創るために頑張る。アマノワールドを支える最強軍団はこの4年間のツアーで確実に進化している。
25日(土)成都初日。「凄い勢いでチケットは売れてます、きっと、7割は埋まりますよ」との事。
ええッ!たった2日!で、と吃驚する。
17時過ぎ開場2時間前に実験劇場の表玄関に巨大な立て看板が立てられた。もう、多くの観客が集まっている。
見ると、第2回成都演劇祭☆双白記のオープニング作品に『西遊記』の名前が!!
勿論、チラシもポスターもなし。だが、演劇祭のチラシだけは急遽刷り上げて本番までに間に合った。本来、成都演劇祭は9月開催だが、急遽2日前に決めて宣伝を開始してくれたのである。演劇祭の看板だけで、嬉しいものだ。
四川人芸とユエンホンの協力には頭を下げるだけである。
開場した。劇場に入る時は厳重な荷物チェック。10分押しで開演。本当に7割の観客、400人を超す!観客である。580席の客席の真ん中部分はすべて埋まっている。凄い!の一言、
感謝の一言である。
観客の反応はものすごくいい。ゲストは成都の若手「変臉:へんめん」劇団。『西遊記』は必ずご当地途中にゲストを芝居の真ん中部分に入れることにしている。それは、虚構の中にその土地土地の芸能や生活の風景を挿入したいからである。イワヲのスッポンのSceneは北京を上回る大拍手と大笑いの連続であった。
アフタートークも愛情あふれる質問であった。
成都の町の人たちは実に素朴でのどかである、それにしてもここはジャカルタの下町に似ているな。
明日も頑張ろう!こんないいお客さんのために!
26(日)
初日を無事に終えてユエンホンがメンバー全員をランチに招待してくれた。成都の中心街の豪華なレストラン。文化人のサロンらしく書店のカフェもステキである。
アマノは早速昔の宣伝画の書を買い求めている。レストランから徒歩10分のところに三蔵法師が得度した大慈寺の名刹がある。ユエンホンが今朝お寺に行って旅の安寧を願ってお札を全員に買ってくれてプレゼントしてくれた。こういった気遣いが中国の人は本当にすごい!四川料理の贅を尽くしたフルコース10種類ぐらいすべて美味である。四川人芸の孟さん(中央戯劇学院でイーランの後輩)と成都の演劇事情について話す。
成都演劇祭は一度2年前に演劇人主導でない形で始まったがうまくいかなくて今年から四川人芸の主催で始まったとの事、中国では各省に人民芸術院があって演劇センター的意味合いで活動をしている。因みに理工大学実験劇場で本格的に演劇をやるのは『西遊記』が初めて、つまり今回が「杮落とし公演」だったのである。「成都の演劇がさかんになるといいですね、出来る限りの協力します。」と約束する。
今日も、一生懸命宣伝してお客さんを呼びますからという孟さんの言葉に恐縮する。ユエンホン自ら最後にはプーアール茶を入れていくれた。15時劇場集合、掃除、駄目だし。いつものように稽古とダンス。劇場前で現地スタッフと一緒に全員で記念撮影。なぜか、いつもの様にアマノは昆虫採集に行っていて欠席。彼には何故か海外に行くと必ず昆虫を探しに行く習性がある。
さて、開場時間である。
イッパイお客さんが来ることを願って・・・・。
で、実際にほぼ8割近い観客が来てくれた。凄い事が現実に起こった。
で、恒例の記念撮影。4日前には絶対に客は来ないと思っていたのに・・・
奇跡は起こるのである。有難う成都!!

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