★様々なる「劇評」BY藤谷浩二(朝日新聞記者)
流山児★事務所「雨の夏、三十人のジュリエットが還ってきた」(西沢栄治演出)を座・高円寺で。
清水邦夫さんの演じること=生きることをめぐる戯曲のなかでも「タンゴ・冬の終わりに」「楽屋」と並ぶ傑作だと思うが、なにしろ単なるコロスではなく文字通り「三十人のジュリエット」を演じる女優たちが必要ゆえ、上演は簡単ではない作品。
本格的な上演形式では、2009年の蜷川さんによる再演以来の観劇。
松本紀保さんと伊藤弘子さんを中心に、オーディションを勝ち抜いたという女優たちの尋常ならざる熱量が放射される舞台。出演予定者の体調不良による降板を受け、急遽出演にも回ったという振付の神在ひろみさんの存在感が印象的だった。
久しぶりに池下重大さんの舞台姿をみられたのも嬉しい。
フレディの映画が流行っているからというわけではないけれど、The show must go onの精神に触れる作品であり、舞台。
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