公演情報
流山児★事務所 創立35周年記念公演第2弾
秋之桜子:新作書下ろし
 
『赤玉★GANGAN
〜芥川なんぞ、怖くない〜』
 
作:秋之桜子(西瓜糖)
演出:高橋正徳(文学座)
芸術監督:流山児祥
 
2019年
8月21日(水)〜27日(火)
@下北沢ザ・スズナリ

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明治天皇が亡くなり乃木大将が殉死し「力」の時代が終わりを告げた大正時代、関東大震災があなたや私に傷跡を残していったあと、若い作家たちは次に書くものは何かを探していた。
芥川龍之介や菊池寛、人気の島田清次郎…偉大な先輩作家の影に抗いながら、自分の中の嫉妬心に恐怖しながら、家族も友人も恋人も巻き込みながら頭の中のネジをギシギシと巻き上げる。

「真実って何だ?書きたいものって何だ?生きるってなんだ?
 

流山児★事務所 りゅうざんじ じむしょ
TEL 03-5272-1785(平日13:00〜)
オンライン予約(24時間)


⦿公演詳細⦿
http://www.ryuzanji.com/

 

 

流山児★事務所
2018年度 新人募集
劇団で活動することに興味がある人を募集します。

【募集人員】
6名 (俳優・スタッフ・制作)
18歳以上35歳未満。
国籍不問。心身ともに健康な男女

【第一次審査:書類選考】
以下を流山児★事務所まで郵送してください。
(1)履歴書(連絡のつく電話番号とメールアドレスを記載のこと)
(2)写真1点(バストアップ)
(3)作文「流山児★事務所に入団してやりたいこと」(400字程度)


【第二次審査:実技・面接】
書類選考通過者のみ、連絡いたします。
※実技審査料3,000円は当日持参のこと。
※スタッフ・制作は面接のみ(無料)です。

【入団後の活動】
流山児★事務所の活動に準じていただきます。
優秀な新人は劇団公演、海外公演などに参加できます。

【入団後の費用】
(1)入団金:50,000円
(2)研修費+稽古場維持費:月額10,000円(月納)
※入団1年後には稽古場維持費:月額5,000円のみとなります。

【お問合せ・応募先】
流山児★事務所 新人募集係
〒162-0045 東京都新宿区馬場下町60番地 まんしょん早稲田307
TEL:03-5272-1785(平日13時〜17時)
E-MAIL:mail@ryuzanji.com

情報詳細
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今村修(演劇評論家)の『赤玉★GANGAN』劇評が出ました。

本当に「素敵で的確な劇評」有難うございます。
全員、心して残りステージを駆け抜けます。
★「明日」を信じて日夜稽古に汗を流す若き演劇人にその覚悟を問いかけ励ます力強いアジテート★

BY今村修(演劇評論家)劇評

昨夜は、流山児★事務所「赤玉★GANGAN」(作=秋之桜子、演出=高橋正徳)@ザ・スズナリ。女優・山像かおりとしても活躍する秋之と文学座の高橋、それに稀代の人誑し・流山児祥の顔合わせとくれば、これはもう初日に行くしかない。

時は大正、舞台は東京。文学を志したものの書くべきものを見失い、肥大するプライドを持て余して自堕落な日々を送る人々の青春群像劇。普段の流山児★事務所作品とは一味違いないがら、観終わってみれば紛れもなく流山児★事務所の芝居という、厄介な舞台だ。

関東大震災の翌年の東京。二つの物語が並行しやがて絡み合う。一つは、葵男爵(上田和弘)家の物語。訳あって預かった芥川龍之介を見守りながら離れで暮らす有閑夫人・涙美子(山像かおり)と、その娘でお転婆・瑠衣子(山丸莉菜)、女中頭・ヨネ(平野直美)が、売出し中のイケメン文士・悠木(中島歩)を巡って、何やら妖しくも高尚で、しかもお間抜けな騒動を繰り広げる。

もう一つは文士長屋の物語。かつて「漱石の再来」とも謳われた櫻庭(井村タカオ)は震災以降書くべきものを見失い、今は弟・三郎(今村洋一)の歌と、若く美形の二ノ宮(永澤洋)の舞踊をフィーチャーした震災史跡めぐり興行で糊口をしのぐ毎日。エログロ作家の古賀(武田智弘)や怪しげな文学ブローカー£リ井(山下直哉)らも交えて、「いつかはオレも」の能天気な日々を送っている。だが、古賀の姉で、震災のドサクサで郷里の博多に戻っていた八重(坂井香奈美)が一大決心をして舞い戻って来たことから、滞っていた時間が動き始める。

西瓜糖でお馴染みの、女の情念渦巻くエロくてドロドロの秋之ワールドを期待していくといささか勝手が違う。エロの部分は自ら演じる涙美子に笑いにくるんで一手に引き受け、後は自意識過剰で、一廉の人物だと自分では思いながら、実は何ものでもない若者たちの過剰な思いをにぎやかに描いていく。対話を重視する高橋の、しかし歌あり踊りありのスピーディーな演出が、舞台に心地よい疾走感を産み出している。何より言葉がよく聞き取れる。こんなに、語尾までハッキリと聞こえる流山児★事務所作品も珍しい。芥川をはじめとする実在の文士の名前(当時の大流行作家でありながら、今やほとんど埋もれてしまった島田清次郎に光を当てるところなども心憎い)を随所に散りばめて虚実の境を大胆に滲ませ、いかにもな文学論を闘わせる機知にも感心する。歌声に聞きほれてしまう今村、嫋やかさの中に狂気を秘めた永澤、イノセントな妖しさを漂わせる山像、鬼太郎シリーズのねずみ男を彷彿させる山下ら、俳優陣も各々の持ち場で精彩を放つ。

ただ途中までは、二つの物語が勝手に展開していて、一体この舞台はどこにいくのだろうと途方にくれた。だが、ある「噂」をきっかけに二つの物語は急速に合流し、もつれ合っていく。そこにこの劇のもう一つの視点「言葉」の問題が浮かび上がってくる。登場人物たちはほとんどがいわば言葉に魅入られた人々≠セ。思いをいかに言葉にして伝えるかに、文字通り命を削る。そこに、雑誌、新聞というメディアの問題も絡んでくる。だが、その言葉への信頼と彫琢の苦心は、「噂」によって一気に危機に陥れられる。その衝撃が、大正の物語を瞬時に現在へと結びつける。ヘイトやフェイクがはびこり、ネット社会の中で無責任な「噂」がまことしやかに拡散される。そんな時代に、どう「言葉」を信じ、守っていかなければならないのか。観客一人一人に向けられたこの問いは、三郎の歌を通して文学から演劇へと橋渡しされる。

文学を題材にしたこの劇はそのまま、今この時の演劇の在り方を問う劇でもあるのだろう。全員が勢ぞろいして歌ういかにも流山児★事務所らしい幕切れは、「明日」を信じて日夜稽古に汗を流す若き演劇人にその覚悟を問いかけ励ます力強いアジテートにも見えた。(敬称略)










2019-08-22 17:18 この記事だけ表示