新井純、服部吉次、石井くに子の芸達者3人組による『阿部定の犬』2時間バージョン。黒テントの名作「喜劇・昭和の世界3部作第一弾「 阿部定の犬」の劇中歌全曲。クルトワイルの名曲にぴったり合わせて書かれた佐藤信のコトバが、これまた、あて書きされた役者のカラダから発せられる至福の時。純さんの美しさ、その歌声に痺れた。2・26事件の戒厳令下の東京を舞台に、好いた男のチンポコ(天子様のおちんちんではありません)を、懐に入れて「あたし=新井純」が、彷徨う、昭和の終わりのグロテスクな光景。クールで乾いたブレヒト喜劇・・・ふーん、かっこいい!であった。いや、参考になりました。観ていて、もう一度やりたくなりました。本当に、ありがとうございました。次は『キネマと怪人』やってくださいね。
早稲田に行くと、6月@スズナリ公演『代代孫孫2016』の稽古が、熱を帯びてきている。
グロテスクな人間存在の≪喜劇≫を目指して。そこには、カタルシスなどない。戦争責任をとら(れ)ないニッポン人の狂気!を描いてくれ。清水直子さんのお誕生日。いい女優さんである。どんどん、タガを外してくださいね。ホント、 どいつもこいつもタガを外した生身のニンゲンになってほしいものである。役者じゃなくて「そこにいるイキモノ」に!!
『代代孫孫2016』(脚本・演出:シライケイタ)は、戦争とニッポン・韓国そしてアジアを描く問題作である。≪日本はアジアで非人道的なふるまいをした。それを「恥じる」と言う必要がある。僕はそう思います。(内田樹))≫である。ヒロシマでの嘘だらけの「裸の王様」のさまを見てなおさらそう思った1日であった。
予約は→https://www.quartet-online.net/ticket/daidai?m=0abjgca