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下北沢から帰宅。
『代代孫孫』(パク・クニョン作、シライケイタ脚色・演出)を見る。4代にわたる家族の話。舞台は韓国だが、演出家は日本に置き換え、苗字も日本名に翻案しての上演。2016年から1938年まで遡り、再び現代に戻る。71年には、ベトナム戦争に後方支援で参加する場面もある。
つまり、第二次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争という3つの戦争に関わらざるをえなかった韓国と、その理不尽な状況を生き抜いたある家族の物語である。命が受け継がれていく現場を目の当たりにする。日本と韓国という立場を入れ替えて描くことにより、差別的な場面を見る心痛は半減した。
4世代にわたる大河ドラマを見つめるのは、中学生の男の子の視点である。この少年による歌舞伎の口上のような挨拶で芝居は始まるが、そのとき、男の子は何度も頭を地面に打ち付ける。その痛みと理不尽な滑稽さが、約80年の歴史を描く劇の芯を貫いていた。
スズナリにて6月21日まで。