田中伸子:ジャパンタイムス
早稲田で満員御礼で大好評上演中の「OKINAWA1972」を観た。まずは昨今ご無沙汰していた劇場の活気を体感。開幕を待つ客がまだかまだかと待ちわびる、そんな熱気に劇場が包まれていた。
その熱は劇が始まるとさらにヒートアップ。狭い小劇場の空間をミリ單位で熟知している俳優たちが空間をあますところなく使い、戦後の沖縄ヤクザ抗争、日米の沖繩返還に伴う密約交渉を一人の青年の目を通して描きながら、さらにはその後の日米の不均衡な関係ー脈々と続く圧倒的で一方的な米国の統治関係ーを示唆して幕を閉じる。
前にも書いたが、翻(脚本)、演出、役者、スタッフワーク(テクニカル&人的)、劇場、観客、、、などなどの要素がすべてが合わさってはじき出される総合点が芝居の評価。その良い例が今回の舞台。
また、観客は観劇後に自然とディベートが起こるような社会的な問題を含んだ芝居を望んでいる〜人の心をほっこりさせるような無害なハートウォーミングなものが横行する中〜ということも再確認した。