天候不良で30分遅れ。夕刊を見るとつかこうへい氏肺がんで死去の報に愕然とする。62歳。同世代の雄であったつかさんの早すぎる死。アングラ第2世代というより全く新しい日本の演劇を作った天才である。シンプルな劇構造で愚直なまでに必死に時代状況をとらえ直し激しくぶつかり合う強度のある演劇。今考えれば彼の反面教師というべき鈴木忠志氏を超えた演劇の公共性を持つオトコでもあった。確実に「つかこうへいの時代」というべきものを作った演劇の革命児でもある。勿論、私とは全く違った地平をいったオトコであるが、ある意味遠くて近い戦友でもあったと思う。思い起こせば彼が慶応大学の学生劇団のころ彼の芝居を見ている。その後、早稲田大学で劇団・暫という劇団をやっていて、私が研究生であった頃の早稲田小劇場に彼も出入りしていた。その後、私は「演劇団」という劇団を作りかれは「つかこうへい事務所」という劇団を作った。劇団・暫の頃、名古屋の七つ寺共同スタジオで演劇団が旗揚げ公演を行い、続いて山崎哲の劇団つんぼさじき、そしてつかさんらが公演を行っていた。40年近い昔の事である。
その後、1992年大ヒット作『悪魔のいるクリスマス』(北村想・作)につか劇団の鈴木聖子さんが客演してくれた時一度だけゆっくり下北沢で飲んだ事がある。きっぷのいいまさに九州男児といったオトコであった。そのあと?つかさんの秘蔵っこであった山本亨の『銀ちゃんが逝く』を新国立劇場に見にいった記憶がある。『熱海殺人事件』という名作と共に登場したこの在日韓国人の劇作家はそれこそ徹底して弱者・被差別の視点から反権力の愛のドラマを書き続けた真のカブキものであった。そして何より多くの良い役者をこの世に送り出した「名伯楽」として語られ続けるだろう。RUPのSさんにつかさんが絶対書くと豪語していた『鯖街道』をやりたいと何度かしゃべっていたが、ついにかなわぬ事に。
「恥多き人生でした」遺書もまた、つかさんらしい実にカッコいい「銀ちゃん」節である。日本と韓国の間の対馬海峡につかさんの骨が漂い、海の底に・・・日本と韓国の「あいだ」・・・・いつか、こうへい、になるよのなか・・・・か。
それにしても、今年は演劇界にとって大きな損失の年である。井上ひさしさんに続いてつかこうへいという「現代演劇の巨人」が彼岸へと逝った。
最前線を走る続けるモノらしく孤高を保ってつかこうへいは早すぎる死でアッチへ逝ってしまった。なんか、アッチのほうが楽しそうな感じの時代になってきたが・・・まあ、生きている間はコッチを面白くするのがカブキ者の仕事である。
こんどじっくり本棚にキチンと並んでいるつかさんのホンを読み直そうと思っている。
つかこうへいさん本当にお疲れ様でした、ゆっくりお休みなさい。合掌。
池袋で参議院選の不在者投票。いつものことだが、今回もきっちり。で、都電に乗って早稲田へ。電車の中で知り合いに会う。
朝から『お岩幽霊』の荷物トラックへの積み込みを終えて、久しぶりに稽古場は通常の状態に。
楽塾の自主稽古、清水邦夫の『楽屋』をテキストに3チームが自主稽古、ワークショップにいそしんでいる。慶応大学の学生さんが楽塾のドキュメントを始めるらしく、稽古場に。
『楽屋』の台本をカット、30分余りのテンポのいいスリムな稽古台本に・・・。稽古終了後、久し振りの呑み会。馬鹿話しきり。楽塾はやっぱり面白い。とにかく、いわゆる演劇にならなくするには?である。
さて、明日は仕込み班は7時過ぎ羽田発。10時から松山市民会館仕込みとなる。私は第2次班で11時出発。かくして、明日から『お岩幽霊』ツアーの始まりである!!松山の皆さん是非ご来場ください!!
では、1週間、四国・九州ツアー元気にいってきマース!皆さんもお元気で!
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次回作『櫻の園』の美術・衣裳打ち合わせ。初めて石原さんと仕事をする事に。演出の千葉ちゃんからいろんなアイディアがでる。世界の何処にもないチェーホフが生まれる予感。3日から前売り予約の受付も始まりました。よろしく。
来年から予定している神社・寺廻り公演。全国にある限界集落に芝居を持っていく!がテーマである。そのための作戦を伊藤さんがイロイロかんがえている。壮大で面白いkotoを今年の夏始める。兎に角勉強と実践。みんなよろしく。
座高円寺1のリオ・フェスで青蛾館の『青ひげ公の城』を見る。それにしても久しぶりに聞く寺山修司のコトバ・・・・同時進行する理生さんの『悪徳の栄え』に感慨を覚える。
アルゼンチンがドイツにメタ負けのゲームに・・・・。
4月9日に亡くなった井上ひさしさんの「お別れの会」が夕方から東京會舘で開かれた。立錐の余地がないとはこのこと、凄い人の群れ、井上さんの交流の多さを物語っている。文学界や演劇界などの多くの関係者約1200人が出席し、この幅広い分野で活躍した「現代の戯作者」を偲んだ。私は井上喫煙ルーム(井上さんが喫煙している写真が飾られている)にほとんどいた。別役さんや岩松くん、山本監督、有紀哉らも。途中抜けて祭壇に行くと400冊の著書が飾られていた。丸谷才一さんと大江健三郎さん、栗山民也さんの弔辞。小曽根サンのピアノによる献歌の数々。最後の「マック・ザ・ナイフ」のメロディによる「劇場賛歌」に涙。ホントーに井上さんお疲れ様でした。閉会後には一般読者や演劇ファンらの多くの人が記帳に訪れたという。
それにしても会場内で何人からか「演劇界の危機」についていろいろ聞かれる。トーキョー演劇=J演劇の末期症状。おのれら位置をきちんと《集団》で認識し、惑わされずに往くしかない。ここではない別の場所にわたしたちの演劇を求めて・・・だ。体制翼賛化し、実験性・反逆性を喪失した《劇場》などに《演劇》はない!志あるヒトとヒトの出会いの《場》そこが劇場であり演劇である。
帰宅。
チェーホフの『櫻の園・台本』と北村想の『浮世根問』第1稿を読む、とにかく台本をキチンと読む、読む、読む。あ、『謡説浮世根問(うたでとくうきよねどい)』という歌舞伎風のが正式タイトル決まりました。かくして『お岩幽霊』も加えて3本の台本との「格闘の日々」が始まった。何となく、3本を結ぶ糸がある。それはどーしようもない人々のものがたりだということ?カブキじゃん。
下北沢ザ・スズナリにいくとセットは出来上がっている。考えていた以上に凄い存在感あふれるセットである。さすが、塩野谷正幸の舞台美術ということにこれから日々変貌してゆくだろう?!これだけでも一見の価値アリ!です。役者の考える舞台美術!!
これだから、手強くて、照明は大変。7時から殺陣の当たり。実際のセットではなくここでしか当たれないので岡本先生とじっくり。迫力ある殺陣!今回の殺陣は少ないが実に計算されたものになっている。で、明かりの直しとシュートで本日のメニューは終わり。明日は朝から照明の時間。それでもって、スケジュールどおり11時から場当たり、明かり作り。あせらず、ジックリ創っていきましょう。それにしても、面白くてデンジャラスな芝居になる予感。
あと1日『お岩幽霊』きっちり、出来上がってゆきます!!是非ご来場ください。
ダメだしというか、もっと底抜けの明るさと元気さ。歌舞く、傾く、カブク心である。
5時ころから搬出。さて、明日はスズナリ入り、仕込みである。
ちょっと時間が出来たので新宿花園神社で新宿梁山泊の『ベンガルの虎』(唐十郎・作 金守珍・演出)を見る。久しぶりの梁山泊のテント。3時間・三幕の大作。唐さんのピークの時代の作品。青春と冒険のものがたり。いや、今見ても充分面白い。唐さんの変わらない視点の原点を再認識。奈左さんが出ている。終演後ひさしぶりにテントで飲む。北京喋々の白井クンも出ていて、大塩君ともばったり。その後ゴールデン街、クラクラへ
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曇り、さて仕込み、夜は場当たり!『お岩幽霊』まもなく開幕です。ご期待ください。
半径75センチ国家のユートピアを描く疾走ドラマ。名古屋の劇団あおきりみかん、鹿目由紀の新作『ここまでがユートピア』を観た。ほぼ満員の客。いまや、1年2〜3回毎年東京公演が出来る若手劇団の雄である。面白い、劇団でしか出来ないことを誠実に大胆にやっている。戦う喜劇?いいんじゃない。アフタートークでついつい歌舞伎の話まで逸脱してしゃべる。
その後、宿泊所でもあるグリーンの稽古場で劇団員達と一緒に、尚やダイちゃんらと飲みしゃべる、太郎も来ていたが今秋10月座高円寺2で鹿目由紀の「新作」『ミュージカル:愛と嘘っぱち』を流山児★事務所で上演することが決まっている。大逆事件百年を扱った革命群集ミュージカルを夢想している。ちょっと飲みすぎだがふらふら終電近くに帰宅。
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楽塾は今日(13日)から自主稽古で創り上げる「楽屋」の本読み、だったが失礼して今日しか見れないとおもい、池袋東急で北野武監督の新作『アウトレイジ』を観る。北野監督お得意の暴力と死を描く映画、歴史モデルというか政治モデルとでもいうべき「現在」を描くB級映画。途中でラストが判ってきて、ああ、やっぱり!となるのは頂けない。暴力シーンもドンドン、ギャグシーンに見えてきたりして。死ぬ事でしか世代交代はないという北野史観?ボクシングやってたというたけしの一寸した味付けはイイ、『座頭市』の金髪と下駄タップよろしく、である。
ま、俺には『お岩幽霊』の一寸した参考にはなった?けどね。
昨日病院で肝機能γGTOの異常数値とコレステロールのことを言われる。来週辺りから休肝日を作ることを命じられる。はい?
World Cup2010 韓国2−0快勝!マラドーナのアルゼンチンの1−0快勝いよいよ、明日は日本VSカメルーン戦。
朝早くおきて9時過ぎの飛行機で松山へ。ほぼ、ノンストップで夕方まで松山の中心地をぐるぐる。まずはラジオ。南海放送のお昼の番組出演、「お岩幽霊」について。で、名物クイズにも参加。勿論正解。
で、次はNHK−TV、お昼の情報番組。「お岩幽霊」後、開催される日本演出者協会の第2回演劇大学について10分近く。リハーサルと本番、面白かった。次は地域テレビに。3分間のコマーシャル風のものを録画。
でもって、最後は愛媛新聞のインタビュー、瓜生さんのしりあいで演出者協会の大先輩でもある愛媛文化連盟の会長の畑野さんと一緒に。
愛媛の演劇や戦後の「新劇」についてイロイロ。
その後、めちゃくちゃ美味しいお寿司の夕ご飯。最後は空港の喫茶室で去年の演劇大学のメンバーと再会。シニア劇団を立ち上げたばかり、みんな元気そうで何より。イロイロお世話になりっぱなしの愛媛のみなさん、よろしく。シアターネットワークえひめのみなさん本当にお疲れ様でした。今後ともよろしくお願いします。で、最終便で羽田に。帰宅すると10時過ぎ。さて、追い込みである。
11月発表会を目指して3チームが『楽屋』(清水邦夫:作)をテキストに6ヶ月ワークショップにはいる事に。11月には佃典彦の「新作」が書きあがり稽古インの予定。17人のメンバーが「あみだ」でチーム編成、これが面白い組み合わせに、各チームが同一テキストで全く違ったものを作る?来週は本読み。
東宝ミュージカルアカデミーEXTRAの『SING for the Future DANCE for the Future』(山田和也:演出)を日比谷のシアター・クリエで観る。15時と18時の2回公演。キャストほぼ入れ替え、2時間近く東宝ミュージカルの名曲の数々を歌い踊る若者たち。超満員札止めの盛況である。『ユーリンタウン』のヒロインを演じてくれた関谷春子を観るため。女子警官役の船山智香子は夜の回に出ている。
懐かしいミュージカルやレミゼやミス・サイゴン、屋根の上のバイオリン弾き、といったミュージカルナンバー。様々なシーンを思い出していた。春子も存在感のある歌とDANCEで実に魅力的だった。劇場には『ユーリン』のメンバーの顔も。俺昔から東宝ミュージカル見ていたんだって事を実感。「南太平洋」「王様と私」「回転木馬」「マイ・フェア・レディ」うん。
楽塾はおれの東宝ミュージカル?
久しぶりの銀座。カツカレー発祥のレストランでカレー食って、ぶらぶら銀座から京橋、日本橋、神田と2時間近く歩く。これまた久しぶりに山手線で神田から馬場まで。例のごとく、本屋であちこち。
帯状疱瘡は相変らず、左半分が痛い。どうしも汗をかく体質なので・・・まあジックリ直すしかない。3幕・4幕をあたり、歌稽古で今週の稽古は終わり。久しぶりのお休みである。このところ、自転車で稽古場に通っている。帰宅は裏通りをいろいろ廻って・・・・いつも見る風景の裏側を通ると面白いものが見えてくるもんだ。この町に本格的に住んで10年余り、ほぼ路地は歩いている。
今日は楽塾の総会、「ユーリンタウン」のヒロインだった関谷春子の発表会?を見に日比谷のシアター・クリエまで。それにしても春というより真夏を思わせる陽気である。明日から『お岩幽霊』追込みである。