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5日(木)〜7日(日)までの4日間、熊本県立劇場にずーっといた。
熊本での「最後」の演劇大学。4年間実に楽しいワークショップであった。4年間の間にみんな「すごい成長した!」ことを「実感した」4日間であった。夏目漱石の「夢十夜」をテキストにして5人の演出家志望のメンバーが書き上げた脚本を4チームに分けて4日間で「上演」するという例によって無謀とも思える企画。
いや、大変!だった!が、面白かった!
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私はシニアチーム。2人の演出家の作品を別々にやろうと当初、思っていたが一人の演出家が「思わぬ出来事」で2日目から来られなくなった。急遽、一夜と二夜をミックスした作品をゴーインに作ることに。で、結局、演出家を役者のメインにしなければ無理ということで,
「演出家の役」を「演出家の幸太くん」が「演じる」(といいうか舞台で「演出もしていい」というカタチで)私がゴーインに作ることになった。だから、こんどこそ楽、出来るかな?と思っていたが今回が一番大変なことになった。
で、(何が!)テッテ的にナンセンスでそれでいて不条理オペラに仕上げた。シロウト、というか「初舞台」のおじさん、おばさん、30年ぶりに芝居をやることになった劇団東京ブラックホールの大介が面白い。
稽古中は、まるでシュールレアリズムの自動筆記状態。歌は「サンライズ、サンセット」と五木ひろしの「待っている女」を急遽、思い浮かべ「歌」うことに。
メインの「百年の恋」を演じるお二人さんは「見ず知らずの他人」というのに2日間カラオケボックス行き!を命じた。その効果は発表会当日に現れた。おどおどした「初舞台」おじさんは二夜にして五木ひろしと化した!!のであった。いや、ホンマ! ♪愛はかげろう、つかの間の命・・・である。
60代、50代の7人のエネルギーが「暴発」する20分の「世界の何処にもない」作品に出来上がった。いつものことだがみんなすごい!ニンゲンのエネルギーは「すごい」のだ。♪愛を止めないで、そこから逃げないで・・・・である。いやあ、わたし泣けました。
本番の朝から3回「通し」、徹底的に台詞が出るように「した」!コレがよかった。
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各チームの個性が出た「いい発表会」となる。きゃくせきも立ち見も出るほどの超満員になった。熊本の次世代の演劇を担うイイ意味での「おわり」であって本当の熊本の次世代演劇の「はじまり」の演劇大学になった。いや、良かったドラマドクターの和田さん、古城さん、坂口君の演劇感も見える。いい体験である。皆さん、お疲れ様。
とりわけ、名誉学長でもある瓜生正美さんの存在に感謝。シンポジウムで語ってくれた「戦後地域演劇の体験談」は、孫の世代たちにとって貴重な体験!となった。演劇は歴史性と社会性を持ち温度をもった肉体が作る芸術である。
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今年の7月に予定している坂口瑞穂「新作」書き下ろし『お岩幽霊/Buenos Aires』の公演場所を健軍文化ホールに決める。市電の終着駅の近くにある300人の小劇場。いい劇場である、ただし駐車場が無いのが玉にキズだが致し方ない。坂口君と一緒に決める。
いつものことだが演劇三昧の4日間であった。
全員で打ち上げ。熊本日日新聞に4年間総括を書く事に。
で、何人かとカラオケで2次会。久しぶりに歌う。28日の紀伊国屋演劇賞受賞記念パーティで「ミニライブ」をやろうと思っているので少しは稽古しなきゃ・・・である。
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8日(月)11時過ぎの飛行機で帰京。
夜7時から渋谷でケラさんと緒川たまきさんの結婚披露パーティに1時間ぐらい出席して8時半から早稲田で『標的家族』のアフタートークに参加。忙しい「いつものトーキョーの日常」である。さて、歩くか!!
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そのまま、抜弁天を抜けて女子医大、でもって夏目坂にある一度入ってみようと思っていたとんかつ屋で晩飯。
旨い!早稲田に着くと今日は終演後、ミニ総会なので劇団員の顔多数。ほぼ満員の4日目。安定していい芝居に。終演後10分ほどのミニ総会。
紀伊国屋演劇賞受賞謝恩パーティのこと。さっさと決める。イワヲ、畝部、米山が実行委員になって具体的なことを劇団員に。まあ、ミニ・ライブを早稲田でやることに。創に相談。熊本から帰って具体的な曲目もきめなくちゃ、稽古はどうする?である。
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ということで(何が!)私明日から熊本に行ってきます。
最後の演劇大学。夏目漱石の「夢十夜」をテキストに4チーム、4日間で作る熊本版「夢十夜」のドラマドクター。古城さん、瑞穂、和田さん、私の4人の演出家。楽しんで作ってきます。と、いうことで4日間このブログはお休みです。『標的家族』は絶賛上演中です!
是非、ご来場ください!面白いです!!
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で、14508歩。本当によく歩きました!!おれ。
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それにしても、おれたち、毎日よく飲むなあ。毎日打ち上げ!!である。
これがまあ、「劇団」なんだろうな。大内やびんちゃん、華子におまけにペーやら大介やら劇団員も元劇団員もグチャグチャで「芝居」のkotoを毎日熱く語っている!!ここでは元も今も「関係」ねえ・・・芝居が好きな先輩後輩だけである。ここが流山児★事務所の「いいところ」なんだろうな。一期一会。おれたちは「ここ」に「いる」だけである。
20年前に一度だけ「競演した」大女優、紫の君。チェーホフの「かもめ」のアルカージナとトリゴーリン役。楽しい《出会い》であった。いろんなことがあった。本当に楽しかったです。その後もイロイロありがとうございました。本当にお疲れ様でした。
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本屋で月刊ミュージカルをめくる。2009年ミュージカルベストテン発表である。
『ユーリンタウン』ベストテン第8位!!
荻野清子さんが「特別賞」ベスト演出家第2位が流山児祥!
コレって何!である。2009年上演された48作品がノミネートされたなかのベスト10、ぜーんぶ商業演劇の中、たったひとつの小劇場ミュージカル!!の快挙。評価してくれベストテンに選出してくれた評論家・ジャーナリストの皆さんに感謝。うれしいかぎりである。
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「標的家族」3日目。満員ではないがイイ感じで埋まって、芝居もどんどんよくなっている。多くの評論家が見てくれている。江森さん、扇田さんといった顔。昨日も大笹さん。多くのヒトが小林七緒の演出を評価している、うれしい限りである。
裕作さんといつものように呑む。例によって来年の「寺社廻り」のこと、寺山演劇の新展開について。
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ケンッタキーでたばこ吸いながら珈琲。野田君の「野田版歌舞伎」を読む。
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夜は森下でよく通った呑み屋「とん八」のお別れ会、立ち退きで33年間の営業をやめることに。ということで、みんなでおやじさんと、おかあさんへのお疲れ会。仕切りはもちろんTPT、ハコ、熊たちが動き回っているおねえちゃんと亘理さんも本当にご苦労様。花屋に言ってピンクのはなを買っておかあさんへ。手塚君と久しぶりにゆっくりしゃべる、田岡とも、塩野谷、栗原、上田、沖田、石橋と続々と。塩野谷と亨からはアロエ。それにしても、イッパイのひとひと。33年間、とりわけこの20年間以上ベニサン・ピット、ベニサン・スタジオと一緒だったとん八。
安奈サン、千葉、久しぶりの堤くん、といつもの「とん八のある風景」となり、お疲れの乾杯。私の感謝のコトバと乾杯の音頭は堤+千葉。カウンターには門井さんと亨、こんな粋な企画をやってくれたTPTに感謝。塩野谷は本当にイロイロとお世話になった、オヤジさんと尽きない話・・・・。
わたしは少しはやめに帰宅。
読売新聞「流山児★事務所若手が総力結集!」東京新聞「いじめ社会の怖さ!」と27日夕刊に「標的家族!」の記事、演出家:小林七緒のインタビューが掲載されている。
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「標的家族」は本日(28日)昼から明かりあわせ!である。
ご予約はお早めに!!31日(日)・2月1日(月)・2日(火)は「大いに余裕アリ」です。ぜひこの3ステージに!!
130の劇場がある、アジアのoffoffブロードウエイ=テハンノを中心に4日間芝居三昧の日々であった。
近いうちに又行こうと思っている。
6時おき、タクシーで近くの地下鉄の駅まで。(タクシー代はメチャクチャ安い)地下鉄に乗ってキンポ空港まで。(地下鉄もメチャクチャ安い)。
アシアナ航空で羽田まで。コレが近い!!
1時過ぎに帰宅。
原稿書き。稽古場に電話するとカナミが出た。今夜は7時から「通し」。
ハイ分かりました・・・・。
31日(日)には『標的家族』初日!!では、空港で買ったマッコリ3本と市場で買ったするめと海苔でも持っていくとするか・・・・。
今日:26日毎日新聞朝刊「遊ナビ」に「標的家族」の情報が掲載されている。
遊ナビ:ステージ /東京
■標的家族! 31日〜2月11日15・19時(時間要確認)、Space早稲田(地下鉄早稲田駅)。作=佃典彦。演出=小林七緒。音楽=諏訪創。美術=小林岳郎。出演=木暮拓矢、谷宗和、藤川恵梨、下総源太朗ほか。ある日、キノシタさんは地下鉄の公衆トイレの前で倒れているノグチと名乗る男に声をかけた。数日後、ノグチさんは家族とキノシタさんを訪ねて来たが、ノグチさん一家はなぜか全員大けがをしていた。一方、キノシタさんは世間から「不当なイジメ」を受けているようなスズキさん一家も目の当たりにし、次第にキノシタさん夫妻にも不穏な空気が迫ってきて−−。3800円。流山児★事務所電話03・5272・1785
ホテルのラウンジで外を見ながら朝食。
ツアーメンバーは今日帰国。
何回も来ているがちゃんとソウル観光をしていないので高サンの案内で初めて市内観光。景福宮と宗廟;世界遺産である。インサドン(仁寺洞)で伝統茶の十薬茶を飲む。高さんはバブル時代に日本に留学していた。韓国の最近事情をお茶を飲みながら聞く。
でもって、カンジャン市場でユッケとレバ刺しとセンマイ、これがうまかった。
超派手な衣装に使えそうな背広を買いホテルに帰宅。
夜はマーシャルアーツパフォーマンス『ジャンプ』を見る。ロングラン中。面白い、誰にでも受けるショウ。子供と一緒になって笑っていた。1時間半。世界中に行ってるのもうなずける。
終演後後、これまたプルコギを食ってなかったので食う。なんてことない、これでは、まるでグルメツアー。
夜中11時過ぎに「麻薬キンパ」とよばれている「くせになるほどおいしい」海苔巻きを買う。夜中だというのに凄い客。さすがにうまい!!
というわけで、今日はほとんどタクシー移動で7862歩。
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明日は6時起き。
9時の飛行機で帰国。
『標的家族』の追い込み稽古を観る予定。みんな元気に稽古中とのこと。皆さん是非早稲田までおいでください!!!
本当に歩いた今日も。
青年座の水谷内さんはそれにしても凄い。毎日、氷点下のソウルを3時間以上走っている、私には決してマネ出来ないことである。
3駅歩いてサンゲタンを食べさせてくれる有名な店でブランチ。さすがにうまい。で、歩いてミョンドンまで。日曜日ということで教会から出てくる人の群れが半端じゃない。
で、地下鉄でテハンノ。昨日に続いてワンダースペース。今日は西堂さんのレクチャー;寺山修司の演劇。よく整理されたレクチャーである。最近「毛皮のマリー」が翻訳されたらしい。
昨日に続いて、申し訳ないが途中で抜けて演劇集団反の「ミリネ;ミルキーウエイ」を見る。まったく言葉はわからないが、70歳を超えたいい男優さんの芝居で1時間半楽しんで観た。イジュオンにいろいろ質問する。反のパクさんとは久しぶりの再会。
で、夜7時からミュージカル「オールザットジャズ」を観る。映画の「オールザットジャズ」とはまったく違う韓国版ミュージカル。もちろん曲は使っているが、、、いや、はや。
で、テハンノに戻ってライブハウスでジャズ。9時過ぎにオテソクさんの劇団木花の『楽屋』を見たチームと合流しようと思っていたのだが会われず、結局「日韓リーディング」のツアーメンバーとじっくり飲むなんてことは出来なかった、ごめんなさい、である。
で、ユッケ刺しで本日は打ち止め。ジュオンともお別れ。ありがとう、また会おうぜ!!
それにしても、今日もよく歩いた。13836歩。今日は少し暖かかった、それでも零下近く。寒さにもなれるものなんだと実感したソウルの3日目!である。
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明日は月曜日、テハンノで芝居はほとんどやっていない。一応ミュージカルを1本見る予定。それにしても130近くの「劇場」が下北沢と同じぐらいのエリアに集中してある「この国」の「凄さ!」に改めて感服。に、してもホント女の子ばっかりだな、客席が、、、。
これくらいに東京の演劇シーンがなれば面白いのに!!!!そのためには日本にはもっときちんとした「劇団」が「必要」!だな。
1980年代の後半から数え切れないほどこの街に来ている。来る度に変わっているイキモノ、それがソウルである。
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今日(23日)も快晴。が、寒い。
市場へ行って「いつものように」朝飯。
これがうまい。白子と魚のなべ。
東大門の市場を恒例のように見回す。
4時からロングラン中の韓国の芝居を覗く。80年代の小劇場ののり。が、役者のレベルは一段と上がっている。
今日は7時半から岡田利規くんの『3月の5日間』のリーディング。
私は、途中抜け出して(ごめんなさい!)、オテソク演出の劇団木花の『楽屋』(清水邦夫;作)を見る。これが面白い!凄い、さすが韓国アングラの巨匠。木花の役者はやっぱり、凄い、いい!!直美の大女優で『楽屋』をやってみたくなった。うちの女優たちでやる『楽屋』、、、いいなあ。
まあ、オテソク作品がが観れたことで今回のソウルはよしとしよう。それにしても観始めて20年以上オテソク先生は衰えを知らない「実験精神を忘れない現場の演出家」である。
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リーディングのアフタートークにはなんとか、間に合った。
で、終わって小松杏里と飲む。韓国の現代演劇と付き合って10年以上。こいつも偉いやつである。ジュオンも連絡が取れてやってきた。来年辺り久しぶりに韓国公演もいいか、と盛り上がる。
久しぶりに、ゆっくりマッコリの「夜」であった!
お疲れ様。昨日も今日も12000歩。相変わらずよく歩いている!!これで行くぜ!
何とか小返し、ラストまで当たる。
2時20分からぶっつけ本番!和田さんや中野志郎くんらにも見てもらって(観客10人あまり!]いい発表会になった!早稲田に「標的家族 」実に来たときにゆっくり飲みましょうと言い残し赤坂のホテルニューオータニへ。
紀伊国屋演劇賞授賞式。ちょっと長いスピーチしてしまった。まあ思っていることをしゃべった。これからもきちんと、「劇団」を軸にした仕事をやっていく。それだけである。で、ワインの飲みすぎ、まったく食ってなかったのでヘロヘロ。塩野谷の仕切りの2次会。新宿池林房、もう酔っ払ったので早めに退散。アマノ、坂手、沖野さん、真美さん、弘子、瓜生さん、哮夫さんに加えてゲストの綿貫さん、米山、若杉と身内で祝杯。
来月は関係者全員に集まってもらって大パーティーをやろうと思っている。31日の」標的家族」の初日に向けて早稲田は追い込みである。
で、私は今ソウル。
日韓演劇交流センターのリーディング。
いま、いつものホテルにたどり着く。地下鉄を乗り継いで、冬のソウルは極寒である。
渡邉和子さんのアングラ?前衛劇。去年見た?「犬婿入り」と演出法はそんなに変わらないが塩野谷正幸の傍若無人の「白波」ぶりがいい。
久しぶりに気持ちのいい、志のある芝居。ドイツ人?的感性・・・ブレヒト読まなきゃ・・・と帰りの電車で思った。
帰ってみると岩淵達治先生から長文のおはがきが届いていた、何と2通にわたって!。来週の18日から3日間芸能花伝舎で芸団協のセミナーの「ブレヒトの「イエスマン、ノーマンを《読む》」という講座の講師をやるのだが・・・初めて「ブレヒト」をよ《読む》私ごときに実に懇切ていねいなサジェスチョンをいただき恐縮の限りである。
いいかげんに「楽しもう」と思っていたがこれで、根性据えて「いい加減に」ブレヒトを《読む》覚悟が出来た。
アジア的身体・能・ブレヒト・一葉・歌謡曲・ノイズ・パンク・ワーグナーなんてかんじ。
あ、まだ講座生募集受付中だそうです。奮ってご参加ください。ブレヒトで遊ぼうぜ!!
1月18日(月)・20日(水)・13時〜17時 21日(木)11時半〜15時 芸能花伝舎3階3−1
参加費:6000円
03−5909−3060芸団協:担当米谷・小林
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いろんなことが起きている。流されないように。調子に乗らないように。
ビンボーなこの身体とこの《集団性》を梃子に往くしかない・・・・。
「標的家族」いい、かんじで進んでいます。こちらもご予約はお早めに!!
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東恵美子さん逝去の報。
20年ぐらい前に鈴木完一郎:演出でチェーホフの『かもめ』で恵美子さん:アルカジーナ、私:トリゴーリン!で共演させてもらった。あの時は本当に生意気盛りで随分恵美子さんには、迷惑をかけ、お世話になったことがある。完一郎さんもアッチヘいっちゃたっし・・・・実に寂しい限りである。享年85歳、華のある女優さんだった。合掌。