このところ基本的に40〜50日稽古を基本としている、「ユーリンタウン」やパラダイス一座の稽古は3ヶ月近くであった。劇団員を主体にしての芝居作りだからこそ出来ることである。いまどきこんなコトやっているのはおれたちだけじゃねえの?と思ってしまう。まあ、芝居をそこにいるニンゲンのモノにすること。集団劇の基本はコイツはどんなヤツ?を作ることでもある。たのしくジックリやりましょう。
あと1ヶ月、といってもあっという間に本番はやってくる。まだ歌と踊りと殺陣も入ってねえ。が、ここが芝居の基本を作るときでもある。それにしても真夏の陽気。一体ドーなってるの?
台詞をきっちり覚えるためと、相手役と「シーン作り」のための時間。
遅ればせながら今日は11時からマスコミ用の写真撮り。横田さんがテキパキと。今回は九州チーム?というやつが。
今回は九州出身者がメインキャストの多くを務めている。ちなみに福岡県出身が瓜生正美、谷宗和、坂井香奈美、武田智弘、荒木理恵、滝本直子の6人。熊本出身が流山児祥、保村大和 宮崎出身が阿萬由美。全員で9人。ほぼ全員が九州弁で台詞をしゃべる。
舞台の設定は60年前の朝鮮戦争下の北九州のある港町。特需景気で日本中から一攫千金を狙って様々な人々が流れ込んでいるという設定だから、さまざまな方言が混ざっていてもいいということにしている。
2010年のいま、朝鮮半島は緊迫の度合いを増している。まあ、かの半島はいまも「休戦中」なのが《現実》なのである。
※ほんとに、夏の気配である。楽しく、今日から一巡目。もう一度一幕目からじっくりあたってゆくことに。来週月曜日に「粗通し」までいければいい。
が、この芝居歌と踊りと殺陣が随所に入ってくるので台詞劇のようにはいかない。そこは流山児流。
今週中に美術の方向性が決まってくれたら来週の「立ち稽古」で一気にいけそう・・・・。但し22シーンもある映画のシナリオのようなテキスト、なかなか一筋縄では。
というわけで、どんどん参考DVDの幅が広がってゆく。コクーン歌舞伎の「四谷怪談」は勿論だがコレからどんどん歌舞伎も見る。でもって、成瀬巳喜男監督の「放浪記」「めし」新藤兼人監督「原爆の子」田中徳三監督「続・新悪名」ああ名画。
で、早めに稽古を取り初のスタッフ会議。今回は旅公演があるのでちょっとした制約もある。美術と衣裳を中心にして打ち合わせ。いつものスタッフが集まっている。舞監は広瀬君。劇団の各パートがそれぞれのチーフというかデザイナーの下に。今回は塩野谷正幸の美術。イロイロオモシロイアイディアをいつものように・・・・。
6時過ぎに終わり、久しぶりに夕方帰り。ちかくの焼きとんやさんにポスターを貼らせてもらう。明日から改装、2階を魚中心の店にするそうな。ふーん。久しぶりの黒ホッピー。
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想との二人芝居の台本のネタつくりはほぼラストシーンまで完成。面白いものになりそう。とりあえずこのネタで想さんがテキスト作り。で7月、9月、来年1月と稽古を続けての二人芝居『浮世根問』は2011年3月Space早稲田初演予定である。明日はとりあえずお休み。土曜日即興的に「何かやってみるか?」ということに。まあ、歌謡コントでもやってみますか?
昨日キャスティングを終えて『お岩幽霊』本格的な本読み。この町の物語を話したり、人物の歴史をしゃべったり、瓜生さんに朝鮮戦争下のニッポンのことを教えてもらったりしての「本読み」。14日(金)・15日(土)はお休みにしてとりあえず台詞覚えの日とする。来週から粗立ち。
下手な役者の私としては・・・である。頑張ります。
想との二人芝居の台本作り。楽しくネタ探しというか人物作り。テメエの実人生と最も近かったり、遠かったりのコトアレコレ。とにかく毎日いろんな歌をくちづさみながら。昭和の歌謡史。お互い嫌いな歌の話、歌手の話は笑えた。りなと理恵に歌の記憶を聞いたりして・・・・。
「お岩幽霊」本読み3日目。上演台本も決め。キャスティング!メインキャストというより久しぶりの文字通りの「集団活劇」なのでキャスティングには悩んだ。面白い組み合わせになったと思う。物語の軸にいるのが伊達暁、谷宗和、坂井香奈美、阿萬由美、保村大和といったフレッシュな顔合わせに。塩野谷正幸が宅悦を思わせる酔いどれ医者 伊藤弘子とさとうこうじが伊藤家の夫婦。弘子と瓜生さんは3役に挑む、こうじは2役、忙しいゾ。本多さんの組長と多彩な顔ぶれになった。上田、里美、タケの3人組も秀逸。さて、これから役者たちがこの物語を如何に膨らましてくれるか?が楽しみである。
が、すこしわたしはヘビーで疲労困憊の感アリ。
それにしても、昨日今日と2日続けて朝8時近くまで稽古場で飲んでいる役者達には驚く。元気はいいけど・・・・オメエラ!!である。10時間も飲んでたらダメだろう。
稽古場にあった差し入れの酒のほとんどがこの2日間でなくなった。こいつら本当にキチガイ沙汰の酒好きである。まあ芝居のkotoをそれだけしゃべるってのはいいんだが。
お昼過ぎから北村想・小林七緒と三人で来年3月に上演する二人芝居『浮世根問』の台本つくりである。まあ、雑談みたいなものだが二人の登場人物人物造型をあーでみおないこうでもないと、作っている。まず、ニセの履歴書を作ることから。この作業はある意味の「大衆の原像」を探すことでもある。想の言うところのポピュリズム。網野史観まで出てきてこの60年の事件史と大衆の欲望のありざまを。あくまでも大衆の目線で描く・・・・・これがオモシロイ。途中で打ち合わせに来た肝さんも加わって・・・・。こんな調子でこの1週間台本つくり。
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1時間半の休憩の間に今日から始まる『お岩幽霊』の台本読みのキャスティング。こちらも大変。初参加の阿佐ヶ谷スパイダースの伊達くん、パラダイス一座の本多さん、瓜生さんとこれまた新鮮な座組。戦後の焼跡闇市の熱い明るい活き活きとした青春活劇として読む。とにかく読む。
全員の声を聞くためにみっちり。8時半過ぎ阿萬由美もカナダ・ニューヨーク3ヶ月留学から帰国、本読み参加。
こちらの本読みは2日間でキャスティングまで。結局稽古初日から10時半までみっちり。お疲れ様でした。
あれ、2作ともニンゲンが熱く語る馬鹿馬鹿しいドラマになりそうである。
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お昼過ぎから2週間にわたって行っている新人ワークショップの最終日。今年の新人はいまのところ女優のみ3人。5月23日(日)に追加のオーディションを予定しているので是非「男優」も応募して欲しいものである。で、新人ワークショップのリーダーは上田和弘。りな、まなみ(たまきさんは骨折で稽古に出られず来月から参加することに)の2人に付き合って山下、理恵。ストレッチ指導は尚、肉体訓練の指導は上田。テキストは野田秀樹の『ハイパー』。
最終日の3時半からtopシーンを約20分の歌と踊りも入った見世物に。いや、面白かった。基本的に役者と山下の5人で作ったもの。ギャラリーは米山、ウネべ、尚、私、玉木さんの5人しかいなかったのがもったいなかった。是非楽塾の公演が終わったらせいぜい1幕ぐらい通して発表会ぐらいしたいものである。はい、とりあえずお疲れ様である。
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今日から楽塾も連日稽古。
おばさんチームのところを中心にみっちり。
本番まであと11日!秒読み開始。毎日作り変えていたら間に合わないのだがどーしても、変えると言うか・・・・である。
明日は何が何でも「通し」たいのだが・・・・。
今夜のDVD3本『ションベンライダー』(相米慎二監督)『アパルーサの決闘』(エド・ハリス監督)『ワールド・オブ・ライ』(リドリー・スコット監督)うんオモシロイ。相米節の名作と異色西部劇。ディカプリオのテロ戦争ものはドーでもいい映画。ラッセルクロウのデブぶりのみ。
午前中花伝舎の演出者協会で平田オリザ氏の劇場法と今後の民主党?の文化芸術政策についての平田さんの説明と意見交換。和田さん、大西君、篠崎さん、龍、高取くんといった顔ぶれでざっくばらんに。ある意味、前代未聞の劇場法とジャパン・カウンシルを軸とした平田カクメイは次世代の演劇界を創るという「具体的」なグランドデザインでありセイジである。が、果たして現行の指定管理者制度とかならずやぶつかるであろうと予測される芸術監督制度、うーん。問題は現在の指定管理者制度である。官僚の「天下り」を根絶したものの(一部の?)ゲージュツ家の「天上がり」にならないように如何にするか?と、問題は山積。が、この動きは加速することだろう。
「劇団」という存在が既に「死語」の様に語られれている現在に、私はいらだつが現実である。多くの大学に演劇科が出来、劇場にこれから多くの演劇科の大学院と呼べるようなものができてゆくだろう。
アングラ・小劇場世代の多くの演劇人が「大学教授」や「芸術監督」や「館長」になっている昨今、自分の「教え子たちの就職先」をそのヒトたちが「考えた」としたら、こうなるのは資本主義社会のフツーの必然である。
いつの世も♪カネが仇の娑婆世界!なのである。持つ人間と持たざる人間のいつの世にも現出する不条理的現実!!
そんな、時代のトーゼンの流れとして演劇を創る場所として「公共劇場」が出てくることは予測されていたし当然の成り行きである。また、公共のカネが使われるのだからより透明化が求められる。
今の文化庁や芸術文化振興基金の助成は3分の1の「赤字」助成。つまり助成金の3倍の予算、決算が必要となる。今年から助成金の金額が全て「公表」された。公共の金を舞台芸術創造活動に使うこと!の「より透明性」と「より社会性」が問われる時代なのだ。これを劇場制作に1本化すると、より透明化されるというのが平田カクメイ。
が、開かれた劇場と称しながら一部の公共劇場を地域演劇ゴロが私物化?しているとも伝え聞く。虐げられるヒトビトの側に立ち志たかい芸術監督を育てていくのが真のえんげきじんであり、市民=観客である。
それにしても次世代の演劇の未来について「話すこと」は結構たのしいことではある。でもって、東京をスポイルするというのにはわたしは「基本的」には賛成である!まあ、地道にトーキョーで地方で世界で私はこれからも「劇団」にはこだわり続けるだろう。どーせ1回しかない人生。
今年から流山児★事務所は身の丈にあった公演活動を地道に行っていく。積極的にSpace早稲田をフル稼働させ地域と連携したワークショップやシニア世代とのワークショップを行っていく。また、来年からは寺社廻りも始める。平田カクメイとは違ったささやかな試みの中に劇場法ではなく、わたしたちの「出会いの場=劇場」を探す試み。ま、北村想との2人芝居はその具現化。カラダはって馬鹿やるしかねえ!!無一物の自由!!!より、アナーキーに、より原点へ!!
文化予算2000億、3000億の環境?バラ色の未来のスキーム作り、うーん。演出者協会は6月の総会までに態度を鮮明にするつもり。
楽しい2時間ではあった。帰り際、平田さんの作品「東京ノート」をいつか「オペラ東京ノート」にしていい?と聞いてみた。勿論オーケーであった。世界を廻りますか?それにしても工作者=平田オリザと私は14年前、演劇人会議設立事件の時に書いているが、その通りになったな。平田オリザは現代の谷川雁?が、それにしても、どーもフランスやらイギリスの知的エリート的劇場論がオレ嫌いなもんだから・・・ハイ。
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高取、龍と昼飯。馬鹿話。それにしても高取としゃべっていると心が和む。分かりやすいコトバで話す最も愛すべき畏友である。
その後、事務所で打ち合わせ。来年座・高円寺で予定している『ユーリンタウン』の新構想。
稽古場では新人ワークショップ。上田と山下に任せることに。野田秀樹作「パイパー」topシーンの稽古。歌と踊りを一人1曲入れるということに。
夜は楽塾。
半分づつ。何とか4時間かけて細かく前半。明日は後半。先は見えてきた。
稽古を終えたのは10時半近く。
ながーい1日であった。
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いい天気。今日は暖かい日だそうな。
毎日温度が10度近く違う、これじゃほんと風邪を引くぜ。
全員筋肉痛である。久しぶりの肉体訓練。うん、これでいい。
昨日のメニュープラス緊張と弛緩。これも面白く創ろうと思っていろいろやってみる。来週は・・・・。
で『パイパー』のtopシーンのテキストを使った粗立ち風シーンスタディ。まなみとりえのコンビ。上田とりなのコンビ。来週は台本を離して本格的に遊びましょう。今日は麻理とウネべが参加。4時過ぎまでみっちりカラダを使う。そのあと、事務所でうれしい話、ニュースしきり。今年もほんと、イロイロありそう。そいれにしても、いいコトはうれしい限り。谷の顔も久しぶりに見る。そのうち発表出来る。
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夜は『3時10分決断の時』(ジェームズ・マンゴールド監督)『ゴッドファーザー』(フランシス・F・コッポラ監督)のDVD2本立て。名作2本、さすがにヘロヘロに疲れ果てる。西部劇、ギャングモノの傑作。マーロン・ブランドと若きアル・パチーノ。20年ぶりぐらいに見返したのだが、やはり傑作、名作である、オモシロイ。topシーンの庭のトマト畑のショットから始まる、ながーい結婚式のシーン、でラスト近くのブランドが孫と遊んでいるうちに死ぬトマト畑までの3時間近いドンの家族の崩壊をえがく。『3時10分』は1950年代に一度製作されているエルモア・レナードの短編を原作にした映画のリメイク。これまた好きな役者ラッセル・クロウとクリスチャン・ベイルの芝居観てるだけでラストまで。音楽がいい。『ゴッドファーザー」の音楽はさすがにニーノ・ロータ凄い!!両方ともいわゆる「男のドラマ」それにしてもつくづく男って馬鹿だな、とおもう映画はいい?虚しいセカイがアツクそこにある。