いよいよシーン3、最後の章に突入である。
お昼過ぎには皆さん稽古場にいて1時間あまり自分のセリフを確認している。
例によって体操、トップシーンのチェック。ちょっと変えてみて2回。
クリスマスパーティのシーンからラストまでの大アクション?!シーンへと突入。20分あまりのシーンになる予定だがこれが大変。
じっくり6時過ぎまで5時間近く、河童さんも稽古を見ていてほとんど演出家状態。いつも河童さんは俺は「観客の代表なんだから」と・・・・・。
ピストルのシーンはさすがモデルガンマニアの日本の有名人、そのダメダシは含蓄がありまさに納得。
まだ、台詞が完全ではないが(まだ本読みさえ2回ぐらいしかやっていないところだから当たり前)何とか最後まで当る。明日肝さんが入ってもう1日やる!宴会のシーンのカラオケを取り合えず探さなきゃ・・・・・。
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6時過ぎからとなりの珈琲館で大阪の朝日新聞のSさんのシニア演劇についてのインタビュー。蜷川さんと川村くんと私の3人を取材するとのこと。5時から1時間近く稽古を見てもらった後だから話が弾む。
前代未聞の企画に素直に驚き楽しんでくれている、日本の演劇状況にある意味で風穴を開ける無名のえんげき。朝日舞台芸術賞の寺山修司賞の対象に戌井さん、瓜生さん、哮夫さん、本多さんはなるといいですね?という話になって笑った。4人とも藤原竜也くんより魅力的な大型新人だ、何より圧倒的な存在感とリアリティー。
戌井さんたちバンチの4人に「新人賞」!これっていいなあ・・・・。
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結局1時間以上のインタビュー。今日も下北沢に行けず。
塩野谷ゴメン。
とおる寿司で夕飯。女子バレー。
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予想通りブッシュ惨敗、民主党の勝利。
ラムズフェルド国防長官更迭。米国民のイラク戦争批判に屈服したブッシュ、右腕を切る。
この国では教育基本法改正の「やらせミーティング」を国がやるというメチャクチャぶり。
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今夜のDVD『ブローバック・マウンテン』(アン・リー監督作品)アカデミー賞作品、20年に及ぶゲイの愛情を描く大河ドラマ。1963年から80年代まで飽きずに見れたが・・・・・。
結局3時就寝。
お昼から美術打ち合わせ。
河童さんが模型と図面を持ってきた。
急遽美術補として水谷雄司さんが手伝ってくれる事に、つまり水谷さんの王様美術がセットを作ってくれることに。
まるで西部劇の銀行のようなセット。時代というか時間をたっぷり吸い込んだ美術となる河童さんのスーパーリアリズム?とのミスマッチ?でいける。悠治さんの音楽とサイコーのコラボになる!
で、1時からシアター・ガイドの特集記事の取材1時間。バンチ全員の対談。写真撮り、なんでも5ページ!この前代未聞の企画をシアターガイド大きくく取り扱ってくれる。嬉しい事だ。河童さんが例によって皆さんの中心になってしゃべってくれる。次回公演は山元さんも河童さんも是非役者で出てほしいんだが・・・・・・・。
2時から稽古。ギャラリーが多いせいかノッテるぜ皆さん。
なんとか、あと1ヶ月近く!かっこいいモノになる。
6時までミッチリ稽古。
で呑み会。3時間、これまたシアターガイドが取材」している。肝さんの3億円事件やら哮夫さんの東宝ミュージカルの話、瓜生さんの昔話やら盛り上がる。
そのまま女の子達を連れて瓜生さん寿司屋まで。ちょっと呑みすぎ?
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「わざわざ上京し、衝撃を受けてよりの古ーいファンです。いい年で、熊本上演には友人を誘っての"追っかけ”。今回、下北沢までも、またー?とさすが迷った揚句のハガキです。「シルバー割引」がうれしい!
福岡のT・Sさん72歳からのチケット予約ハガキである。
こんな手紙が事務所に来ていた。嬉しい。
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今夜のDVDタイ映画『バトル7』じつにくだらないアクション映画、これがいい。
早めに寝る。といっても1時。
久しぶりに、本当にゆっくり寝る。
このところ、イライラする事がありどうも不眠である。いろんな人間がいて、いろんなことがあるのが「劇団」というヤツである。
が、それが演劇の持つ猥雑で人間的でいとおしい「現実」というモノ。
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朝10時から4時間PCに向かいいつものように月刊新松戸の11月号の原稿。劇団の次世代の育成の難しさについて書く。
我が劇団では10年〜15年以上の在団者は基本的にはプロ野球の「F・A(フリー・エージェント)」制をとっている。稽古場維持費もとらないし、他劇団出演やマスコミ出演も基本的にはOKである。ただ、劇団本公演のスケジュールを基本的には尊重してほしいし、劇団活動への協力は前提である。劇団員として当たり前のこと。
30年近い塩野谷、20年近い弘子、若杉といったベテランから新人まで劇団はいまや30人近い大所帯である。が、お互いが「集団」でしか出来ない「馬鹿なことをやる!」というその、一点だけでつながっているのだ・・・・。
個人の才能などクソくらえなのだ。集団として志向=思想する事!もちろん自立した「個」が元にはある。一人がみんな・・・・。
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雨である。1日中雨が降っていやがる。
夕方5時過ぎから2日ぶりの「オールド・バンチ」。本多さんも風邪が治って久しぶりの稽古。またしても台本2枚が・・・・・、もう本当にゆっくり書いてください、あせらないで。
最初の30分余りのシーンまで荒立ち。皆さん、やっとどういうシーンかを把握してきた。明日もこの調子で行きましょう、ヨロシク!
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稽古が終わって呑み会。
びんが絶好調で喋り捲ってた。後輩たちもこんな「アングラの先輩」に度肝抜かれてイル。
けだし「アングラはやさしい」は名言である。アングラは「他者」と共に旅するやさしい演劇なのだ。
「アングラ」は集団=創造であるという《原点》を新人達ともうすぐ10年選手の谷たちがより判ってくればこの芝居はイイ芝居になる。
ついにその時が来た。
『狂人教育』 1日三チーム連続「通し」。今日は雨の中1日中30人近くのメンバーが地下にもぐっていた。
各チーム3時間ずつ、1時から10時まで・・・・・・スタッフ・照明さんも付き合って。いやはや私も初めての経験である。役者は出ているからいいが、見続けるということのしんどさが極限までいったかんじ。ダメダシも大変。
が、これでもう一度「演出的妄想」が膨らんだ。
ストーリーも基本的な構造も変えないが「三つの物語」は確実に作れるし、いまの劇団の役者の力量は確実にアップしていることは確信した今日の通しであった。男優陣はみんなよくなった。もちろん女優たちのすごさとこのレパートリーに対する真摯な取り組みは凄い。「劇団でしか出来ない」企画の楽しさと苦しさが同居している。
劇団員全員で突破するしかない!全員の芝居!
前代未聞の企画をよりプラスの方向へ!だ。
それにしても、新人達が善戦苦闘(悪戦ではない)し、健闘している、もう少しだゾ!恐れることは何もない。捨てるモノも何もない、ただ大胆さと明るさで突破するしかない!悩んでみたって何も生まれはしない。「若さ」と「馬鹿さ」いう偉大なる才能がお前達にはあるのだ!そして、失うモノは何もない!
でもって(何が?)、不条理すら、いまやリアルの時代である(何のこっちゃ)?ふんでもってリアルなんて糞くらえ!の「思い」というより「他者」を巻き込む「思い込み」だな、芝居なんてものは・・・・・で、最後は・・・・・?どんなダメダシだ?
栗原茂が稽古を見に来ている。今夜はヤローどもは池袋で呑み会?
イワヲの処は今日あたり、生まれるのかな?と稽古場の話題。
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で、夜10時過ぎ久しぶりに稽古場から外に出ると、東京は雨が上がって、見事に晴れである。朝来た時は土砂降りの雨だったのに・・・・。
例によって歩いて目白経由で馬場まで。駅の近くの廻る寿司に久しぶりに入り、今日初めての飯らしいメシと生ビール。そういえば今日は朝からほとんど何も食べてなかった。(休憩中カップ・ラーメン食ったか? 呆け老人だなまるでオレ)それにしても稽古場はビンボー人だらけでほとんどのメンバーがカップめん、手弁当持参も増えてきたが・・・・・。
でも酒だけは毎日朝まで、ビデオ観ながらとか本読みながらとか、浴びるほど呑んでるなあ・・・・・・。かわらずの日常である。そのうちホント病院行かなきゃ?また血尿でるぞ・・・・。
明日は朝から録音、夕方から最終稽古だ!で、29日・30日の2日も再びの三チーム連続通し!!の予定である。さあ、頑張るぞ!
とにかく見に来て下さい。どれ見ても面白いですよ。出来れば3ヴァージョン全部見てほしいものである!
上演時間は1時間20分から25分。微妙に三チーム上演時間が違います、コレはあくまでも今のところですが・・・・・。
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論功行賞型のアベ「保守内閣」が発足した。「功名が辻」内閣とのマスコミ命名である。
全員、馬鹿ばかりの官邸の補佐官達である。「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」の「新しい歴史教科書を作る会」の教科書採択を働きかけてきたメンバーばかり。
本気でこの馬鹿たちは「教育再生」という名のもとに、「自虐史観」という植民地支配や侵略の過去を素直に認めることをやめさせようとしているのだ。お前ら世界を敵に回すつもりかよ?といいたくなるってものだ。
アメリカ・ブッシュ政権も「イラク戦争でテロ拡大を認める」報告書を公表した。イラク開戦は誤りであったともうそこまでブッシュ自身が認めざるを得ない状況である。アベさん、どう答える?
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何?ベルギーで荒木経惟写真展に火炎瓶だと!?ベルギー・シャルルロアの写真美術館の荒木さんの写真展のヌードポスターに抗議し・・・・・どうなってるんだ。「芸術の役割は人々を目覚めさせること。多くの人に荒木作品の魅力に触れてほしい」(マルク・ボソール学芸員)そのとおり。
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最近ちょっとしたマイ・ジャズ・ブーム。マイルスのCD「カインド・オブ・ブルー」、でジャンゴ・ラインハルトのベストCDとマル・ウオルドンCD「マイ・デア・ファミリー」の3枚を聞いている。名曲「レフト・アローン」にしびれる。ビリー・ホリデーを失った悲しみを綴ったジャズ・バラードの傑作。「サクラ サクラ」と題した曲に笑わされる。でもって、立川談志の落語(何で?)上手い!!
今夜のDVDはジョニーデップ・『フロム・ヘル』(ヒューズ・ブラザーズ監督2001年作品)切り裂きジャックをめぐるミステリー。
「伝統的な人形劇に”ひねり”を加えた魅惑的な社会風刺劇。幕開きのダンスシーンは象徴性に富んでいる。踊りと歌とリズミカルな詠唱で綴られる夢の世界」
「エキゾチックで実存的不可解さに満ちた舞台」
「狂気のオペレッタ」
「人間の持つ普遍的なテーマに加えてダンス、歌、メイク、楽器演奏など多くの芸術的手法を使い芸術的祝祭を作り出す」
1999年韓国初演のあと9年間にわたって『狂人教育』は世界中を回って上にかかれているような高い評価を得ている。世界30都市で5万人近くの人々を熱狂させ進化し続けるこのテキストと「劇団員全員」で取り組んでいる。
約2ヶ月稽古が進み、3ヴァージョンの全貌がついに見えてきた。
そして、あと10日でベニサンピット、小屋入りである!
劇というものが「役者」という生き物が変わればこんなにも変貌するものなんだ?!という集団芸術の面白さを全員で体感している。
来年秋にはインドネシアツアーというはなしも起きている、今回ケチャ、ガムランヴァージョンも登場する。
お昼から10時間地下の稽古場に1日中閉じこもっているとほとんど酸欠状態!!
とにかく多くの寺山修司を知らない人たちに見てもらいたいものだ。
このところ、連日池袋まで約1時間かけてゆっくり歩いて通っている。いい散歩コース。学習院、目白庭園、立教大学のコース。
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昨日書いたがアラーキーの『オールド・バンチ』のポスター用写真が上がってきた。みなさんほんとうにいい顔している。さあ、なんとか『狂人教育』の初日までに間に合わせてもらいたいものだが・・・・。
ネルケのプロデューサーの岡島君も来て稽古の合間の休憩に打ち合わせ!
10月7日ベニサン・ピット『狂人教育』初日にチラシ出来上がり予定。チラシ・デザインはなんと、あの鈴木一誌氏!
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それからうれしいニュース。
去年の研究生で3月の北京公演では『ハイ・ライフ』の演出助手をつとめたあとみんなに惜しまれて退団した坂井香奈美が「半年ぶり」にもう一度劇団に戻りたいとのこと、二つ返事でOKする。これからの劇団に必要な才能!劇団が期待していた女優の一人である。それに香奈美とは研究生発表会一本しか付き合ってないしな。
「劇団」というしんどいが面白い「現場」が好きで、似合う女優である。
稽古始めに劇団員に話すと全員が喜びの声を上げた。おかえり、香奈美である。
いま、劇団は「次世代」を担う世代を緊急に育成している。これからの活動は、今年の新人から劇団入団10年未満のメンバーが中軸となる、10年選手はある意味「FA制」のメンバー、劇団活動を優先しながら様々な現場で活躍できるようにしたい。劇団は航空母艦である。飛び立って帰れる場所。
これからも何人か劇団に帰ってくるかもしれない?いつでも門は開けておく。つまり、「来るもの拒まず、去る者追わず」である!
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歴史は「偶然」から生まれる、そういった意味では日本国憲法も占領していたアメリカと日本が「偶然」作った産物!でもって、作って4、5年後にアメリカはホント困ったんだろうな。まさに奇跡のような憲法作っちゃって・・・・・。歴史・偶然・フィクション。
私は1960年或は1945年の物語をやりたいと思っている。歴史にフィクションを持ち込む劇、例えば「真田風雲録」?とか。三好十郎の戯曲とか・・・・・。そうか最近の戦中・戦後の黒澤映画の見すぎか?
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いまは眼前の『狂人教育』!である。はい、わかってます!頑張ります。
あ、それから日本演出者協会の「国際演劇交流セミナー:韓国特集」は9月23日(土)18:00から西新宿芸能花伝舎で。「日本の戯曲を演出した韓国若手演出家たち」と題したレクチャー。
目白駅で国際部の篠本くんとバッタリ。何とかいけるように努力します!情報は掲示板に載ってます。宜しく!!
相変らずバタバタと1日があっという間に過ぎてゆく。
やることは腐るほどあるというのに。
朝、黒テントのツアーに行っている山元さんから連絡が入る。今日1日だけ帰京するから会いたいとのこと。
お昼過ぎ馬場の喫茶店で打ち合わせとする。
旅先にパソコン持って行ったが、どうも愛用のワープロでしか書けないので取りに来たとのこと・・・・。
それと、病院にいってクスリをもらう為。
『オールドバンチ』の銀行強盗のおやじたちのコードネームは映画『七人の侍』からとって勘兵衛、菊千代、勝四郎といった感じにしたらいいなあ?と2人で盛り上がる。
行きましょうよ、それ。でも、そんなことより早く書いて!
別れ際、しつこく9月2日のアラーキーの写真撮りまでに絶対書いてね、と約束。
頑張ってください。
それにしても黒テントのツアーって凄い!
約2ヶ月あまりで東北、四国?北海道と回るんだから。
歩いて早稲田まで。今日も途中でカメラ。映画のポスター、パンフなどを売っている古本屋を覗く。
通り雨、事務所によって08年予定の『血は立ったまま眠っている』の企画書に目を通す。
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6時から『狂人教育』稽古3日目。きょうも大胆にばんばん変える。
かなり違ったモノ変わっていくぞ、この調子で。
変わっていいじゃん、変えていいじゃん。
根本の人間のドラマは絶対変わらない!のだから。ソコへいく道筋はいくつもあるのだ!!
28・29日の最終音楽稽古を世田谷の区民施設の音楽室でやって、31日劇団総会。
9月1日から、A・Bチームというまったくの初参加組と「本読み」から始まる。
きっと、ワクワク、どきどきの新顔チームとの格闘となるに違いない。
結局、北京チーム【Cチーム】の早稲田最後の稽古は(あとは池袋の稽古場となる。これから2週間はA・Bチームが稽古の中心となる)結局、「半分通し」となり11時近くまで。
帰り道、カメラ。稽古場で演出家がカメラ回すわけにはやっぱりいかんもんなあ。
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明日も1日中ハードデイの予定。11時からいつもの楽塾。
3時で稽古を取って、新幹線で名古屋行き。
9月3日、断りきれず、10年以上の付き合いの名古屋のダンサーの豊田公子先生の豊田公子ダンススタジオの公演「DANCING WAVE」の
第2部「GOKUTSUMA」にゲスト出演予定。
夜6時から「打ち合わせ」とたった1日だけの稽古。
あとは9月3日(日)の本番前のリハーサルのみ。
共演は佃典彦、伊澤勉、木村庄之助、エレガント浜田といった旧知の名古屋の演劇人たち。
何とかなるだろう?ヤクザの組長、代貸が佃?「仁義なき戦い」だな。
でも俺を殺すのが、勉や庄之助?ソレってギャグでダンスだろ
踊るか?まあ、何とかナルさ。
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で、今夜のDVDは『犬神家の人々』(市川崑監督)石坂浩二主演。良く出来たサスペンス・ミステリー映画。役者が凄い。
というわけで今日も夜3時まで。