BY山田勝仁氏(演劇ジャーナリスト)
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流山児☆事務所「新・殺人狂時代」(作=鐘下辰男、演出=日澤雄介)は図らずもタイトルが今の日本社会をそのまま象徴するものになってしまった。まさに今は国家による全国民殺戮=棄民時代に他ならない。
311大地震による原発爆発、メルトダウンが引き起こした放射能汚染は今も海に大気に続いているのに、ウソで塗り固められ、オリンピックだなんだと浮かれている亡国ニッポン。その喉元に抜き身の刃を突きつけたような舞台だった。
完全暗転から始まる舞台。311以前はその暗闇が子宮の内部のようで心地よかった。しかし、あの日から劇場の暗転に恐怖を感じるようになってしまった。閉所暗闇恐怖症。叫びだしたくなるほどの息苦しさ。
やがて、かすかな灯りがともると、舞台にはパイプや鋼材が散乱。どうやら事故が起こり、作業員たちが閉じ込められているようだ。津波、電源喪失という切れぎれの単語で、そこが原発建屋、その中でも炉心に近い場所だということが分かる。そう、物語は原子炉に閉じ込められた男たちの極限下の人間模様を描いたもの。
13人の男たちは地元民、ヤクザ、原発ジプシー、潜入したルポライター…。
出口を探し、仲間の救援を待つ彼らは、方針をめぐって内輪もめを始める。リーダーを選出しようと決を取るあたりは「12人の怒れる男」。
変わらない絶望と諦念、そして彼らはあるものに末期の思いを託す…。
照明が暗く、後方の席からは役者の表情が見えにくい。目をこらすから疲れるのが難点。たぶん、前方なら臨場感があるのだろう。
防護服なしで作業着で代えるなら明かりも普通の明かりで、あとは観客の想像力に委ねればよかったとも思うが。
高度管理社会、超資本主義社会の象徴である原発の「最深部」で果敢に闘うマッチョマンたちの無惨で滑稽で切ない姿よ。しかも、自らの存在理由を託した「記録」が国民の目に触れるという確証もないのだ。その絶望感。
紋々を背負ったヤクザ=白井圭太、潜入ライター=木暮拓矢、気弱な中年男=塩野谷正幸ほか西條義将、上田和弘、イワヲ、五島三四郎ら男くさい役者たちの熱演が今の社会の閉塞感を圧倒的に写し取っていた。(6月29日)
楽塾公演『楽塾歌舞伎☆十二夜〜2013海外版〜』7月13(土)〜21(日)
新人公演『架空の情熱〜劇的なるものをめぐって』7月29(月)・30(火)ともにSpace早稲田。
「アトミック☆ストーム」のバラシの翌日、稽古場片付けの日に既に客席も作り、その翌々日には本番同様の舞台に・・・・さすがやる事が早い。劇団でしかできないことである。
楽塾は平均年齢61歳、16年の歴史を誇る劇団内ユニット、中高年演劇のパイオニアであり世界に類のない役者集団である。シェイクスピアの「十二夜」には今回で3回目の挑戦。歌舞伎風というか時代劇に翻案し、完全音楽劇に仕上がった。6ヵ月以上の稽古でほぼ揺るぎのない作品に仕上がりつつある。照明のROMIさんも稽古場に・・・、本番近し。
新人公演は今年4月入団の佐原由美、艶嬢さとみの2人、去年4月入団の五島三四郎、宮川安利、2011年入団の鈴木麻名実の5人の劇団新人に加えて「地球☆空洞説」で出演した同世代の山下修吾の6人。こちらは20歳から25歳まで。五島三四郎、佐原由美、宮川安利は楽塾のスタッフでもある。つまり彼らはお昼12時から夜22時過ぎまでほぼ1日中Space早稲田の日々が続いているのである。
まさに芝居三昧の日々、365日芝居漬けの「新人」実践育成である。ま、谷、拓平、イワヲ、七緒、畝部の世代はそんな「滅私奉公」の日々がほぼ10年以上続いた。新人の頃から「世界中」を旅しているのも彼らの世代である。
山下直哉以降の世代も「そんな海外や旅」と様々な演劇的体験をして育っていくことになる。流山児★事務所の次世代は「確実に」成長している。 3世代同居の過激でより真摯な「世界演劇の地平」にある正統派(スタンダード)劇団である。3世代同居というべき歴史を持った劇団であり、俳優育成もきちんとやっている文学座もすごいが、文学座は何故か「世界」を目指さない、なぜか「国内」に閉じこもっている奇妙な「海外戯曲紹介劇団」でもある。あれって何。ま、どーでもいいか。
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この2,3日メチャすごい勢いで新人公演「架空の情熱」ほぼオペレッタ?、ミュージカル?といった感じで進んでいます。音楽もピッタリ!総て流山児★事務所のオリジナル音楽。いや凄い。全員で歌う5曲、3声!それにしても、宮川安利音楽監督、君は凄いよ。
「架空の情熱」稽古4日目の21(金)、なんとかキャスティング、テキスト決定。全員で歌う5曲は決定。それにしても歌のレベルは近年の新人たちの中でダントツ!さすが、ミュージカル劇団。『アトミック☆ストーム』の経験が・・・・。それにしても総てオリジナル楽曲、流山児★事務所は凄い才能の宝庫であることを実感している稽古場。
かくいう、私も、すがに10時間稽古はヘビー?ってかんじの日々である。ま、面白いからイイケドネ!!
20ステージ、本当に多くのお客様に観て頂いてありがとうございました。
劇団員一同、出演者、スタッフ一同厚く御礼申し上げます。
「アトミック☆ストームTheMusical」はさらに進化・深化して再び皆さんの前に現れるでしよう。ご期待ください。
嵐のように疾走しつづけた「アトミック☆ストーム」
本日:16(日)14時の回で無事千穐楽を迎えます。
13(金)のアフターライブの「超満員札止め」以降とどまることを知らず連日「ほぼ満員」爆走中です。本日も「前売り完売」ですが当日券予約を12時迄受付中です。
既に増席も決定!!(アフターライブ同様)、当日券は13時から発売です。
「アトミック☆ストーム」お見逃しなく!!
ふらりと高円寺まで。当日券の発売は開演の1時間前です。劇団員・出演者・スタッフ一同、劇場で待ってます。
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でもって、狂気の沙汰の「日本列島原子力空母宣言」の発令である!
「アトミック☆ストームTheMusical」の笑えない世界が《現実》となって行くブラックコメディならぬ真っ黒な悲劇(ブラックトラジディ)。
大本営発表WITH産経新聞
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「原発ゼロ」転換を鮮明に 12年度版エネ白書 責任ある政策構築 SankeiBiz 6月15日(土)8時15分配信
政府は14日、2012年度版のエネルギー白書を閣議決定した。エネルギーの安定供給やコスト低減の観点から、「責任あるエネルギー政策を構築する」との安倍晋三政権の姿勢を明記した。民主党政権が進めた「原発ゼロ」を目指す政策からの転換を鮮明にした内容になった。
白書では、民主党政権が昨年9月に策定した革新的エネルギー・環境戦略について概略を紹介しつつ、安倍首相の国会答弁を引用し「前政権が掲げた2030年代に原発稼働ゼロを可能とするという方針は、具体的な根拠を伴わないもので、原発立地自治体や国際社会、産業界、国民に不安や不信を与えた」と厳しく批判した。
原発については、安倍首相による2月の施政方針演説を引用し、「原子力規制委員会の下で妥協することなく安全性を高める新たな安全文化を創った上で、安全が確認された原発は再稼働する」との方針を強調した。
また、世界各国の事故や停電、エネルギー価格の上昇などの問題を分析し、エネルギー源の多様化や調達先の多角化などが必要だと指摘した。
茂木敏充経済産業相は同日の閣議後会見で「(安倍政権が進める)エネルギー政策のゼロベースからの見直しの状況について記述した」と説明した。
エネルギー白書は例年5〜6月に作成するが、東日本大震災の影響で10、11年度版は秋にずれ込んでいた。
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「アトミック☆ストーム」千穐楽まであと5ステージの13(木)夜。
アフターミニライブ開催、毎日新聞朝刊掲載の影響か?物凄い勢いで当日予約が伸びて行った。
急遽、サイド席を10席増設、それでもどんどん伸びて雨にも拘らず「超満員札止め」となる。
粛々とエネルギー全開で「アトミック☆ストーム」15ステージ目を終える。
終演後、5分の休憩のあと、斉藤ネコさんを迎えてアフター・ミニライブ。
ほぼ全員が残って聞いてくれている。これまた、凄い!!
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このミュージカルの「愛のテーマ」と呼ばれている「あとすこし」。バイオリンの素晴らしい音色が座高円寺に木霊する。ステキなんてもんんじゃない。
で、演出家:中屋敷法仁と演出助手:山口千晴 とコーラス隊による「地球はミラーボール」
で、私の「あしたはどっちだ」(1992年初演版の原発ジプシーの歌
最後は劇場のお客さんと一緒にメインテーマ「アトミック☆ストーム」の大合唱で幕。
初のアフターミニライブは大好評であった。
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終演後、ホームレス支援をやっているTさん、息子のたつま、たつまの会社の社員たちと安酒屋で呑む。
文化と芸術、公共と芸術と企業について・・・・どんどん夢プランが・・・それにしてもたつまはいい友人たちと一緒に仕事している。感謝。
その後、新宿梁山泊の金さん、カンナさん、野口、そしてアットおどろくピンクレディのMIEさんと呑む。
MIEさんは今度、寺山さんのミュージカル「宝島」に出演するとのこと。あ、そうか30年前、MIEさんは寺山修司:作「時代はサーカスの象に乗って」に出てたっけ!と思いだす。
ぜひ、一度一緒にやりたいものである。
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「アトミック☆ストーム」16(日)まであと3ステージ!全速で爆走します。
お見逃しなく。
※本日:15(土)14時、19時の2ステージ。
まだ席には「余裕アリ」当日予約は12時まで受け中。当日券発売は13時より。
※明日:16(日)14時千穐楽。残席「僅少」!ご予約はお早目に!!
ふらりと、座・高円寺までおいでください!!
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ミュージカル:原発問題テーマに上演−−杉並で16日まで
/毎日新聞 2013年06月13日 東京版
原発建設をめぐる人々の葛藤を描いたミュージカル「アトミック☆ストーム」が杉並区高円寺北2の「座・高円寺」で16日まで上演されている。
劇作家の佃典彦さん(49)が、原発のある町を舞台にして1992年に書き下ろした同名の作品を下敷きに、つくり変えた。
「今度の物語は、原発事故の『その後』に視点を当てた」と企画した俳優、演出家の流山児祥(りゅうざんじしょう)さん(65)は説明する。海岸線には原発が建ち並び、核のごみも増え続ける。「そんな近未来の姿をミュージカルで提示し、より多くの人に原発問題を考えてもらうきっかけをつくろうと思った」と話す。
一般4500円。学生3500円。問い合わせは「流山児★事務所」(03・5272・1785)へ。【明珍美紀】
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3日続いての雨のトーキョーである。新作ミュージカル「アトミック☆ストームTheMUSICAL」あと4日間、5ステージ!!本当に多くのお客さんに見てもらいたいMUSICALである。俳優の矢崎広さんの感想がTWITTERに「【観劇】舞台「アトミック・ストーム」を観劇。総勢39名が創る世界に何度も圧倒される。ファンタジーだけど扱ってるテーマが徐々にその世界観から自分に現実を突きつける。賛否あるだろうけど、たくさん考えさせられました。座・高円寺にて6/16まで。ぜひ。
Twitter hiroshi_yazaki (矢崎広)」
本日13(木)19時の回終演後、アフターミニライブ開催。齋藤ネコ氏を加えたsession演奏、演出:中屋敷法仁、流山児祥による「地球はミラーボール」、流山児祥の1992年初演の時歌われた原発ジプシーの歌「あしたはどっちだ」、観客の皆さんと一緒に歌う「アトミック☆ストーム」♪嵐が来るぞ!の予定です。
※当日予約は開演2時間前まで受け付け中、混雑が予想されます。いますぐ予約を!
※当日券の発売は18時より劇場受付にて発売します!・・・・・・・・・・・・
生田萬さんに「藤岡さんは40年間全く変わらないね!」と最大の激励の言葉。島次郎さんには「カーテンコールやれよ」のコトバ。天野天街さんは核燃料棒姿がいたく気に入ったらしい。で、鐘下辰男さんが今朝「今夜見せてください」と電話をくれた。ふじたあさや、中村哮夫、佐藤信、佃典彦、松本修、岡本章、青井陽治、別所哲也、高取英、中津留章仁、西沢栄治、伊藤靖朗、村井雄、戌井昭人といった新旧の演劇界の友人たちが次々と劇場に。今日は金守珍さんも。
でもって、今日は息子のたつまも夫婦で。社員も2人連れて・・・・うれしい限り。たつまは生まれてから30年ほぼ流山児★事務所の「作品」を見ている最高の「観客」でもある。感謝。
あと5ステージ、全力で駆け抜ける!!
14(金)19時、15(土)19時の回は、まだ「お席に余裕アリ」です。今すぐ予約を!!
「アトミック☆ストーム」本日12(水)14時と19時の2ステージ。最もゆったり見られます。是非ふらりと高円寺までご友人ご愛人お連れでお出で下さい。待ってます。面白いことは請合います。当日券の予約は開演の2時間前まで劇団http://www.ryuzanji.comページ予約で受け付け中。当日券は開演1時間前より劇場にて発売。
ラジオからはブータンの歌。国民一人当たりの幸福を最大化することによって社会全体の幸福を最大 化することを目指す 国民総幸福量世界一の...国。で、わがニッポンは?
明日13(木)魅惑のアフターライブの日が迫って来てそわそわ、わくわくです。齋藤ネコ氏の生演奏、流山児祥、中屋敷法仁のソロ、出演者による大合唱?!全部やるの、やらないの?内容盛り沢山な予定だけど、詳細はまだ謎のまま!!
全ては明日![評]アトミック・ストーム〜明るい僕らの未来編〜…震災、原発を問い直す - 読売新聞 http://dlvr.it/3Vqhm7 #原発 #脱原発 #genpatsu
@齋藤ネコ参加の演奏
A演出家:中屋敷法仁の歌う「地球はミラーボール」
B流山児祥の歌う「あしたはどっちだ?」(1992年初演版の原発ジプシー(作業員)登場の歌)
C俳優全員とお客さんが歌う「アトミック☆ストーム」主題歌。♪嵐が来るぞ・・・。
って感じで考えています。
前代未聞のアフターライブをお楽しみください。
今回は一切のカーテンコールはありませんが、たったい一回限りのお祭りです。
ぜひ、ご来場ください。
※16(日)まであと8ステージ!
全力で駆け抜けます。ふらりと高円寺まで!!