流山児★事務所『新・殺人狂時代』(@下北沢ザ・スズナリ)
作=鐘下辰男 演出=日澤雄介 企画=流山児祥
鐘下辰男の新作書き下ろしである。かつて 『殺人狂時代』として2作品が書かれているが、それは「戦争とニッポン」を描くアクション討論劇であった。
今回の新作は、地震と津波で崩壊した原発建屋の地下に閉じ込められた13人の男たちの格闘を描いている。いま、この時代の現実を鋭く告発する重厚な作品であった。鐘下作品はもともと暗いテーマを構築しているが、今回も暗い。が、さすがだと唸らされてしまう。場面転換も巧みな照明で処理してゆく。緊迫感を持続させてゆく小気味のいい演出が際立つ。
男たちは原発の作業員である。しかも地元組とジプシー組に分かれている。壊された建屋からの脱出をめぐって意見が対立してくる。サトウ(木暮拓矢)が冷静に判断しようとするが、救援隊の来る見込みがなくなる中では、男たちそれぞれの確執がせめぎあってくる。
俳優陣もエネルギーを爆発させていた。イワヲ(男8)や白井圭太(男10)が荒々しさを好演、対照的に塩野谷正幸(男11)の冷静さもまた印象的であった。
閉じ込められた男たちは救われるのか?極限状態のなかで、客席にも息の詰まる思いが伝わってくる。たしかにこのような状況の下では助かる見込みはない。そして、ドラマの世界が事実だとしてもそれは政府と会社によって無視されるのは明らかだ。まさに原発こそ 「殺人狂時代」の産物といえることを証明した舞台だった。
掲載します。
「芝居の目」 鈴木太郎(演劇評論家/詩人)
BY個人誌「太郎の部屋」NO.34 2015・7・15号
流山児★事務所『新・殺人狂時代』(東京。下北沢ザ・スズナリ)作:鐘下辰男 演出:日澤雄介 企画:流山児祥。鐘下辰男の新作書き下ろしである。かつて 『殺人狂時代』として2作品が書かれているが、それは「戦争とニッポン」を描くアクション討論劇であった。
今回の新作は、地震と津波で崩壊した原発建屋の地下に閉じ込められた十三人の男たちの格闘を描いている。いま、この時代の現実を鋭く告発する重厚な作品であった。鐘下作品はもともと暗いテーマを構築しているが、今回も暗い。が、さすがだと唸られされてしまう。場面転換も巧みな照明で処理していく。緊迫感を持続させていく小気味の効いた演出が際立つ。
男たちは原発の作業員である。しかも地元組とジプシー組に分かれている。壊された建屋からの脱出をめぐって意見が対立してくる。男1のサトウ(木暮拓矢)が冷静に判断しようとするが、救援隊の来る見込みがなくなる中では、男たちそれぞれの確執がせめぎあってくる。俳優陣もエネルギーを爆発させていた。イワヲ(男8)、白井圭太(男10)が荒荒しさを好演、対照的に塩野谷正幸(男11)の冷静さもまた印象的であった。西條義将、伊原農、佐野陽一、岡本篤らの客演陣も好演。
閉じ込められた男たちは救われるのか?極限状態の中で、客席にも息の詰まる思いが伝わってくる。たしかに、このような状況の下では助かる見込みはない。そして、ドラマの世界が事実だとしてもそれは政府と会社によって無視されるとは明らかだ。まさに原発こそ「殺人狂時代」の産物といえる舞台だった。
「私が選ぶ今月のベストスリー」
林あまり(歌人・演劇評論家)
鐘下辰男の久々の新作を劇団チョコレートケーキの日澤雄介が演出した「新・殺人狂時代」。
男たちの手に汗にぎる攻防が、まったくゆるみなく観られた。
あの大震災のまさにそのとき、地下の作業場に閉じ込められた男たち、観ているうちにだんだん観客は、そこが福島の原子力発電所だとわかってくる。
男たちにはそれぞれの立場、人生の背景、性格があり、脱出しようとする者、救助を待とうとするも者と、考え方がくい違い、争いばかり起こる。
明らかにムダとわかっていることをして時間をやりすごそうとするリーダーには日本人が陥りがちな「とにかく動けばなんとかなる、考えるな」といった姿がよく表れている。鐘下の視線はさすがだ。
イワヲ、岡本篤、塩野谷正幸ら好演。
「新・殺人狂時代」(作:鐘下辰男、演出:日澤雄介)
「歴史の中に鮮烈に浮かび上がる人の真情」 山本健一(演劇評論家、元朝日新聞編集委員)
日澤は流山児★事務所公演の鐘下辰男の新作「新・殺人狂時代」(6月、ザ・スズナリ)でも、演劇の直接性を生かした迫力ある演出を見せた。3・11物だが、地震と津波のため地下の原発作業所に閉じ込められた十三人の男たちの物語。レジナルド・ローズの「十二人の怒れる男」を土台ににした。荒っぽい男たちのサバイバルをめぐる「討論劇」の様相がある。
孫請けらしい十三人の作業員たちが、地元組と流れ組に分かれて抗争する。閉じ込められた場所の直下に原発格納室がある極限状況。外部からの流れ者を装うフリージャーナリストの男1サトウ(木暮拓矢)は、事態を直視しようとする。少年の無実をはらすローズ版の陪審員8号か。
これに対立する地元組のやくざである男8ナカムラは、ファナティックな陪審員3号か。がなりたてるせりふはややうるさいが、対立と人物の性格はくっきり出ている・
暗闇の中、時折舞台を照らす照明(朝日一真)が、迫りくる放射能汚染を表現して恐怖を次第に強める。最後、脱出路を探しに格納室へ全員が降りて行く。照明が、つまり放射能が強烈に荒ぶる男たちを浮かび上がらせる。
この無残な終末表現には、現代を映してのっぴきならない迫力がある。
連日超満員札止めの大好評のうちに上演できたのも一重に観客の皆様のご愛顧の賜物と厚く御礼申し上げます。
それにしても、素敵な座組みでした。
最強の役者陣、加えて演出の日澤君を初めとしたスタッフ陣の力で、この問題作を世に問うことが出来ました。
本当に、予想をはるかに超えるお客様が窮屈な状態で舞台を観てくれました。
感謝に耐えません。
必ず、再演します。ご期待下さい。
近いうちに、この芝居を持って大阪や名古屋と九州といった街へいこうと思っています。是非、呼んで下さい。
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あっという間に全員でスズナリのバラシを終えて今夜はSpace早稲田。本拠地でのゆったりとしたアットホームな打ち上げです。
2ヶ月近い、あつくるしい「男たちの祭り」の祝宴。
7月1日〜5日はシニアワークショップ、6(月)から夏の陣「マクベス」の稽古が始まります。止まらない流山児★事務所2015年の夏である。
本当に有難うございました。
スタッフキャスト関係者の皆さんお疲れさまでした。
↓
●日澤さんの演出は、劇団チョコレートケーキや外部作品で何本も観ているけど、光と闇と音と。一番派手な演出だったように思います。男13人だけの濃密な芝居、迫力でした。面白かったです、『新・殺人狂時代』。どうかどうか、千秋楽まで、どなたも怪我がありませんように。(はるか)
●『新・殺人狂時代』。13人の登場人物の名前がサトウ、ヤマモト、タカハシ、スズキ、ヨシダ、ヤマダ、タナカ、ナカムラ、コバヤシ、カトウ、イトウ、ワタナベ、ササキと日本人の苗字の上位にくるものばかり。この物語は決して特定の地域の話ではなく、日本全体の話なのだということなのだろう。(法水)
●下北沢スズナリにて、「新殺人狂時代」を観劇。すっごく男臭くて、世相を捉えたよい舞台。原発や、福島や、安倍政権にモヤモヤしてる方はぜひ。役者さん、舞台美術、照明、音響そのほか、すべてが全力で脚本を具現化しているように感じました。格好よかったです!(まめこ)
●流山児★事務所創立30周年記念公演 第4弾『新・殺人狂時代』観劇してきました。衝撃、熱量。話しあう、ということ。ちゃんと見るということ。こういうお芝居が生まれる時代に生きてるんだなぁって。ぐっと心に。(梅田智志)
●寝不足最前列どセンター桟敷席とかどんだけツイてないんだと思った、開演10分前の自分を殴りたい。寝る暇なんてなかった。こんな食い付いて芝居観たのいつ振りやろか。流山児☆事務所「新・殺人狂時代」、最高でした。(ミワサラ)
●流山児事務所「新・殺人狂時代」(鐘下辰男作 日澤雄介演出)@下北沢ザ・スズナリ。一篇の映画のような110分だった。僕が感心したのは、鐘下戯曲への演出の抗い方である。戯曲、演出、演技が、見事な化学反応の光と影を放っていた。そのことがひたすら素晴らしい。(安部真一)
●プロデュース公演が最高に巧くいっているモデルケースになるだろう。作家、演出家、制作、スタッフ、キャスト、誰一人遠慮も妥協もせずに作品に集中していることがよく分かる。 140字の感想って正直目をつぶっていることもあるんだけど、今回は無い。(小泉うめ)
劇場を埋め尽くした「超満員」のお客様で無事、初日の幕が開きました。本当に有難うございます。
これで、創立30周年記念公演4作品とも、すべて「満員爆走中」です。
好評を超えた「衝撃作」ってかんじで、予想通りの手ごたえです。
わたしは孫の柚枝のおもりで前半の1・2章はみれなかったが、半分以上通路の奥で見ていてお客の熱い反応をきっちり感じとれた初日であった。
「当事者」として感じる演劇の根本が「ここ」にある。
本多社長が明日:26(金)のマチネとソワレの間に恒例の手作り豪華カレーを振舞ってくれるとのこと、感謝。
とにかく、あっという間の残り6ステージです。見逃すと一生の損です。今すぐ予約お願いします。なお、当日券は開演1時間前より必ず発売します。
【最新残席状況】6月25(木)現在。
6/25(木)19:00前売完売・当日券のみ
26(金)14:00残席有 ※今すぐ予約!
26(金)19:00前売完売・当日券のみ(鐘下辰男・日澤雄介・流山児祥のアフタートーク開催)
27(土)14:00前売完売・当日券のみ
27(土)19:00残席余裕有 超オススメ! ※今すぐ予約!
28(日)14:00前売完売・当日券のみ
予約は→https://www.quartet-online.net/ticket/satuzinkyo?m=0abjgca
衝撃の問題作です。13人の素敵な男優達を観て下さい。小劇場の雄と呼ぶべき13人の骨太男優達の競演です。
鐘下辰男:新作書き下ろし、日澤雄介(劇団チョコレートケーキ):演出による流山児★事務所創立30周年記念公演第四弾『新・殺人狂時代』は下北沢ザ・スズナリで、28(日)までのたった5日間7ステージかぎりの上演です。
ニッポンの《現在》とあの3・11のフクイチを生々しく描くアクション討論劇です。3・11以降、特定秘密保護法、集団的自衛権政府容認の文字通り「リアルな戦争の時代」の劇、それが「新・殺人狂時代」です。
ぜひ、御覧下さい。23(水)、27(土)の2ステージは「前売完売」ですが、他のステージはまだお席を確保することが可能です。是非ご高覧いただければ幸いです。
※当日券は18時よりスズナリ窓口にて必ず販売します。
ぜひ、ふらりと下北沢までおいで下さい。
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【最新前売状況】
「新・殺人狂時代」
6月24(水)〜28(日)@下北沢ザ・スズナリ
24(水)前売完売
25(木)残席僅少
26(金)昼:残席僅少
夜:余裕アリ(終演後:鐘下辰男・日澤雄介・流山児祥のトーク有)
27(土)昼:前売完売
夜→超余裕アリ※超オススメステージです!
28(日)残席僅少
予約は→https://www.quartet-online.net/ticket/satuzinkyo?m=0abjgca …
1月の「チャンバラ」以来5ヶ月ぶり。2015年上半期1月「チャンバラ」2・3月「義賊☆鼠小僧次郎吉」5月「くるみ割り人形」6月「架空の情熱」に続く第5作が「新殺人狂時代」。ノンストップの芝居の日々が続いている
昨日は最後の通し。
完璧に出来上がりました。
13人のじつにカッコよくて、ダサい、それでいて魅力的なオトコタチの物語です!
とにかく、観てください。
流山児★事務所30周年記念公演の名にふさわしい作品に仕上がっています。
鐘下ワールドを真摯に日澤演出が肉付けしています。応える13人の役者と劇団チョコレート作品を創ってきているスタッフ陣、実にすてきな座組みです。
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稽古場を抜けて明治大學和泉校舎へ。
テントが構内に立っている。実に、いい光景である。
桜井大造さん率いる「野戦之月」の試演会を見る。客席には山田さん、坂手君、ペーターゲスナー、田中伸彦、小野沢さんといった知人大勢。大造さんの芝居に改めて感動しきりの一ファンのわたしであった。
久し振りに坂手くんらと明大前で呑む。さすが学生街。安くて美味い。
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24日から28日まで、ザ・スズナリ。
初日と、土曜の昼はお陰様で完売となりました。他の日も残りわずか!
お早めのご予約をお待ちしております!
予約は今すぐ →https://www.quartet-online.net/ticket/satuzinkyo?m=0abjgca
そのエネルギーのすべてがスズナリの舞台に炸裂する予感。
鐘下辰男の新作「新・殺人狂時代」は日澤雄介の微細な演出、真摯で真っ向勝負の役者たちとの化学反応で、何処にもない「作品」となった。
24(水)〜28(日)、たった5日間、7ステージかぎりの上演です。
お見逃しなく、ホントに面白いです。
本日16時から最終通し。
稽古場バラシ、明日はスズナリ仕込です。
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流山児★事務所創立30周年記念公演 第4弾
「新・殺人狂時代」
その日、男たちは原発災害に見舞われた。地上への出口は塞がれ、いつ崩壊するとも分からない暗闇に支配された建物の地下で、男たちは生還を目指す。
外部と遮断され、内部の状況も把握できない。そんな「ごまかしの効かない」現状で、今とるべき行動とは...。
現代演劇を牽引する劇作家・演出家・スタッフ・俳優たちのコラボレーションが生み出す「時代と拮抗する」スリリングで生々しい舞台にご期待下さい。
※上演時間は1時間50分。
【残席状況】
2015年6月24日(水)〜28日(日)
24(水) 19:00:あと4枚!
25(木) 19:00:余裕あり
26(金) 14:00 :余裕あり
19:00★アフタートークあり:余裕あり
27(土) 14:00 :前売完売 ※当日券お求め下さい
19:00:大いに余裕あり←超オススメステージ
28(日) 14:00:余裕あり
【会場】
ザ・スズナリ
155-0031 東京都世田谷区北沢1-45-15
小田急線、京王井の頭線「下北沢」南口改札より徒歩5分
予約は今すぐ →https://www.quartet-online.net/ticket/satuzinkyo?m=0abjgca …