公演情報

流山児★事務所公演
『叛乱のオペラ〜喜劇阿部定1936〜』

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原作⦿岸田國士「風俗時評」、佐藤信「喜劇阿部定」、伊藤裕作「短歌阿部定」ほか

構成・脚色・演出⦿流山児祥

音楽⦿諏訪創

振付⦿小林真梨恵(waqu:iraz)

Space早稲田にて、
2024年7月20日開幕!

公演詳細

 

ご予約
(流山児祥扱い)
 

 

流山児★事務所
2023年度 新人募集
劇団で活動することに興味がある人を募集します。

【募集人員】
6名 (俳優・スタッフ・制作)
18歳以上35歳未満。
国籍不問。心身ともに健康な男女

【第一次審査:書類選考】
以下を流山児★事務所まで郵送してください。
(1)履歴書(連絡のつく電話番号とメールアドレスを記載のこと)
(2)写真1点(バストアップ)
(3)作文「流山児★事務所に入団してやりたいこと」(400字程度)


【第二次審査:実技・面接】
書類選考通過者のみ、連絡いたします。
※実技審査料3,000円は当日持参のこと。
※スタッフ・制作は面接のみ(無料)です。

【入団後の活動】
流山児★事務所の活動に準じていただきます。
優秀な新人は劇団公演、海外公演などに参加できます。

【お問合せ・応募先】
流山児★事務所 新人募集係
〒162-0045 東京都新宿区馬場下町60番地 まんしょん早稲田307
TEL:03-5272-1785(平日13時〜17時)
E-MAIL:mail@ryuzanji.com

情報詳細
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BY tomtomノpoem&theater
流山児★事務所 高取英メモリアル2021「帝国月光写真館」
〜時空の忘却に愉悦した舞台!〜

 新型コロナウイルスによって、昨年2月以来行っていなかった劇場で、
久々に観劇できたのが、この芝居であったことに、まずは感謝したい!!

2021年12月10日(金)14:00 下北沢 ザ・スズナリ
作:高取英 音楽:J・A・シーザー 演出:流山児祥 振付:神在ひろみ
出演:タツオ/山丸莉菜 サチオ/橋口佳奈 春子/鈴木麻理 秋子/竹本優希 冬子/平野直美 
村上博士/塩野谷正幸、三井(帝国軍人1)/霍本晋規 三菱(帝国軍人2)
/松永将典 住友(帝国軍人3)/伊藤裕作 安田(帝国軍人4)/飯塚克之(風煉ダンス)
大島博士(写真館主)/大久保鷹 紙芝居屋/里美和彦 謎の紅マント/流山児祥 
憲兵将校(黛憲兵大尉)/春はるか 密偵関口/國崎馨
西崎智江(教祖)/伊藤弘子、亜美(巫女)/竹本優希 マキ(巫女)
/本間隆斗 弥生(巫女)・少女/森永理科

 ちょうど駒場の日本近代文学館で「芝居は魂だ!」という、
築地小劇場の展示を見た後だった。
 500席の中劇場として1924年に建築された築地小劇場が
1945年3月10日の東京大空襲で焼失するまでを、雑誌や写真などの資料でたどった展示だった。
1940年からは客席後部に憲兵が座り、セリフや劇の内容を検閲し、中止もさせていたという。

ちょうどその頃、怪奇赤マントが美しい少女を誘拐するという噂が東京を起点に大阪まで流布したという。
しかし、芝居は火口に飛込む少女たちのシーンから始まった。
はじめは空襲の爆撃音だと思った爆音は噴火の音だった。
火口といえば富士山か? いや、伊豆大島の三原山の火口であった。
私の知識では、三原山の火口といえば劇団離風烈船の「ゴジラ」であったが、
これは上海阿片窟へとつながる火口であった・・・・・・。

わらべうたや紙芝居屋が郷愁を降り注ぐ。遠いかすれた記憶の風景。
そこに幻視写真館の怪しい人々が世界を攪乱する。
その存在を示すのが村上博士(塩野谷昌幸)であり、その天皇が大島博士(大久保鷹)であった。
そこには乾いた浪漫があった。群像の熱があった――。

伊藤裕作の存在感が半端でなかった。他の役者たちが遠慮し合うようにも見えた。
流山児祥と大久保鷹の存在は大きすぎて、集中していたドラマを緊張から緩め、解放する。

皇紀二千六百年(昭和15年)にあったことは。
流山児はプログラムで、高取が描いた「太平洋戦争前夜の昭和ニッポンは《令和の現在》です。」
と記している。確かにそう読み取れるが、それは頭で考えること。

私は、《令和の現在》から超越した下北沢の異空間で、その空間にいることにひたすら浸った。
風煉ダンスの林周一さんが、この芝居の評(FB「Ryuzanji Company」より)で
「おもちゃ箱ひっくり返したような構成演出」と記していた。 
言われれば、まさにそのようなごちゃ混ぜの楽しさがあった。  

プロジェクトマッピングの映像もふんだんに使っているのも効果があったが、
こうした技術は、数年前から流山児事務所や流山児さんが主催するRAKU(旧楽塾)
の舞台で観てきたので、驚かなかった。
むしろ、そうした技術がもう自然に溶け込んでいると思った。

アフタートークで、高取英の題材が盛りだくさんに入っていたというが、
私は初めてだったのでわからない。
ただ、寺山的なものや唐的なもの――
つまり1980年前後(私が目撃したのはその時代だけなので)の
アンダーグラウンド演劇の要素(それはおそらく寺山や唐が生まれ育った戦前戦中敗戦直後のもの?)は感じ得た。

眼前の舞台に夢中になった時間は、それだけで生命を感じたのだった。





2021-12-27 12:49 この記事だけ表示
これも素敵な「劇評」です。
BY「芝居漬け」・・・・ 年間200本のシアターゴーアー

下北沢スズナリで流山児事務所、
高取英メモリアル2021「帝国月光写真館」を観た。
38年前に同じスズナリで第二次演劇団として上演した舞台の再演で
演出は当時も流山児祥だったのだが、
今回は2021版ということで随所がアップデートされていて、
全て−戯曲、演出、映像効果、俳優、J.A.シーザーによる書き下ろし楽曲−
がかみ合った上質なエンタメとなっていた。

怪奇赤マントの噂、三原山女子学生投身自殺、幻視複製機、月光写真、、、
人々の不安を煽るこれらの事件を追う謎解きの連続を映像による視覚効果、
J.A.シーザーによるどこか懐かしい楽曲にのせて
ジェットコースターばりの上へ下への形勢逆転が続くスピーディーな進行で展開していく。
その展開を可能にしているのが、劇団という集団のチームワーク、阿吽の呼吸。

そして流山児カンパニーならではの多彩なメンバー構成だ。
女優陣一つとっても、絶対的なアングラの女神:伊藤弘子から、
期待の美人女優(今回は男の子の役だが)山丸莉菜、そこに安定感抜群の平野直美、
さらに今回は月蝕歌劇団から國崎馨、森永理科などが加わり綺麗なのだけれどそれだけではない!
女優魂をみせている。

これが男優陣ともなると、さらに混迷を極め(!?)
塩野谷正幸ー先日伊藤弘子さんのFBで塩野谷さんのことを「カッコ良すぎる!」と書いていたが
その通りで、うん十年前に三上博史と共演した「やさしい犬」という舞台で観た輝きと
寸分変わらずものスっごくカッコ良いーの怪人ぶりに惚れ惚れし、
大久保鷹、伊藤裕作の佇まいに「役者」という職業の人たちの凄さを見て、
「花札伝綺」の団十郎の当たり役に負けず劣らずはまり役、
紙芝居屋役の里美和彦にあっぱれ!と声をかけたくなった。

なかなかに混みいったこの戯曲を最後まで、、
と言うか最後へ向けて加速しながらきちんと魅せるパワーは流石だし、
その喧騒の中にきちんと作者の社会的メッセージを浮かび上がらせる見せ方も見事。

作者を知り、戯曲を読み込んでいるからこその「演劇マエストロ」の舞台だった。
2021-12-27 12:42 この記事だけ表示
様々なる「劇評」ーTwitter、facebookよりD

◎映画『ニッポニアニッポン』監督
『帝国月光写真館』
高取戯曲のなんと38年ぶりの再演!
まだ英ちゃんが月蝕歌劇団立ち上げるまえ、
流山児祥の演劇団の座付き作家?でいた頃。高取英は生きている、
イヤ、生き続けると思わせた一作。
次は、来年の〈津山30人殺し〉森永理科版か。

◎いしかわじゅん(漫画家)
帝国月光写真館。役者挨拶もできなかったので、
ロビーにいた流山児とちょっと話しただけで帰ってきた。
高取英らしい、赤マントを堪能してきたよ。
懐かしいアングラだった。

◎宮永麻衣(苺雲/理兎)
スズナリで 流山児事務所 の 帝国月光写真館 拝見。
実は高取英作品は初見なのです。
ぐじゃぐじゃぐじゃって煮込まれた中に、無邪気で辛辣な眼差しを感じて、
好きな世界観だなと思いました。
時代背景は昭和なんだけど、人間きっと同じこと繰り返してるんだろなと思う今っぽさでした。
楽しみました!

◎山像かおり(女優)
迷宮悪夢の原因→ヒme呼 でお世話になった 流山児事務所 の 「帝国月光写真館」 初日観劇。
アチキLOVE♥️この世界観。破茶滅茶な間抜け達がアメコミみたいに飛び出てくる。
昔の本なのに今とめっちゃダブる。
流山児+客演陣、華やか‼️女子ばっかの殺陣&濱嶋映像も最高‼️

◎chloe
帝国月光写真館。
アングラ演劇は訳の分からなさを大の大人が
真面目に演じているのが何だか愛おしくて面白いな。
山丸莉菜は男の子らしいセリフ回しとハツラツとした所作が目を引いたし、
観る度に安定した演技と伸びのある声量に進化が見られた。
あと竹本優希さんの表情豊かな演技がよかったなぁ。

◎とろとろととろ
流山児さんに言われて、今日12月8日が真珠湾攻撃の日だったと思い出した。
三原山の身投げブーム=自殺者が多い、とはならないかもしれないけれど、
終末観というか、いまも結構切羽詰まった世の中だなあと。
伝わるかわかりませんが、無性におひねりを投げたくなる芝居でした。

◎森山真衣
『帝国月光写真館』
気難しい感じなのかと身構えて行ったら、全然ポップで面白かったです。
物語が目まぐるしく進むので、終始心臓がザワザワしていました。
晋規さんは、デカくて、ちょっと、いやかなり変でウケました。

◎法水 甚左衛門
流山児★事務所『帝国月光写真館』。
太平洋戦争開戦の日に観るのにふさわしい演目。
演出も音楽も衣裳も役者もカッチョよかった(特に春はるかさんの憲兵将校姿の様になっていることよ)。
山丸莉菜さんの少年役はもはや鉄板だけど、いつもに増しての熱演っぷりであった。

◎中村ナツ子
スズナリで流山児☆事務所『帝国月光写真館』を観ました!
高取脚本はやっぱり最高だなと思ったし、
とにかくこってりなオープニングの時点でこれだ人生という感じでした。
終始ニコニコざわざわした☺️楽しかった☺️☺️☺

◎宮崎恵治(黒テント:役者)
流山児事務所「帝国月光写真館」
38年前、ここスズナリで初演。色褪せないね。
ロマンチック。久しぶりに、ロマンチックな芝居を見た。
太陽と月。表と裏。
時代は、変わっても、何も変わっていない政治が見えてくる。
でも、演劇は、変わらず力強く叫んでいるのだ。

◎原きよ(朗読家・女優)
下北沢スズナリにて、流山児★事務所の帝国月光写真館を観劇、
そして毎度のことながら、役者の層の厚さに感激!
高取英さんの凄さも思い知らされる。
その後は、月と太陽が出てくるお話のテキスト作り。
夜空を見上げるときれいな三日月。
なんだかいい日。お芝居は12日までです。
その時代の人がそこにいる。
本当に存在したように思える。
エネルギーをひしと感じ取った芝居でした。

◎西垣 紫野
写真は撮り忘れたんですが、「帝国月光写真館」を観ました!
展開が早くて追いつかないシーンもありましたが、
これだけは言えます。 三菱、三井、住友、安田で笑っちゃいました☺️

◎喰逃
高取英作品で曲もJ・A・シーザーなのに、
流山児祥が演出すると全然月蝕歌劇団じゃなくて流山児★事務所の演劇になるのは不思議なものだなあと思った。

◎伊東洋子
流山児☆事務所による『帝国月光写真館』をスズナリにて観る。
色々な思いが交錯する。
冒頭の曲で、途中の科白で、音楽が、役者の体を借りて高取さんの言葉が、
高取worldを紡ぎ出している。
私が知るあの舞台とは少し違う色をしているのだけど、
そこには脳裏に焼き付いた時空を超えた舞台風景が重なる。
時にそこにいる役者にその風景が重なり動き出す。
じんわり胸に迫るものがそこここに散りばめられている。
駅に向かう道をひとりで歩きながら
♬私が最後にみる〜夢は〜、と口ずさんだ。
現実世界から巨体のおじちゃんがいなくなっていることを突きつけられた気がして、一瞬じわりと街が滲んでみえた。

その昔の公演で、噴火口用のスモークマシーンが壊れて本番中、
舞台裏に急遽かりだされたスタッフチーム。
口いっぱいにタバコを咥えさせられ、
「とにかくふかせ!煙出せ!」とボスの命を受けたことがあった。
そんな記憶もフラッシュバック。
『みーんな死ねばいい』
『ペスはどこだ』

◎小西智
流山児★事務所「帝国月光写真館」を観てきた。
三原山自殺ブーム、支那事変、太平洋戦争を題材にした少年冒険活劇。
真珠湾攻撃の日に観る芝居としては、相応しい。
森永@LIKAMORINAGA がセーラー服で頑張ってた。
2021-12-15 20:23 この記事だけ表示
演劇ブロガー・新法水堂の「劇評」

昨年の『寺山修司―過激なる疾走―』に続いて、
流山児祥さん+J・A・シーザーさんが高取英さんの戯曲を上演。
ザ・スズナリで本作が上演されるのは38年ぶりだとか。

太平洋戦争開戦のこの日に観劇するのにふさわしい作品。
江戸川乱歩作品を思わせる世界観の中、
自らの関係を太陽と月に擬える主人公の少年タツオと友人・サチオは、
幻視複製機をめぐる村上研究所の村上博士とその助手たち(三井、三菱、住友、安田)、
黛憲兵大尉に密偵関口、真理支(まりし)教の教祖・西崎智江と巫女たち、
紙芝居屋といった個性的な登場人物が繰り広げる物語に巻き込まれていく。

物語の背景にあるのが、昭和8年、三原山火口に身を投げた女学生に端を発する自殺ブームと
昭和15年頃の怪奇赤マントの噂。
前者は新聞報道により自殺者が増える“ウェルテル効果”の代表例とされる一方、後者は典型的な都市伝説でもある。

そういった不安が伝播していくのは、戦争前夜という時代背景もあったのだろうか。
だとすれば、フェイクが横行する今の世は一体…。

山丸莉菜さんの少年役はもはや鉄板だが、いつもに増しての熱演。
その周りを塩野谷正幸さん、里美和彦さん、伊藤弘子さん、そして大久保鷹さんといったベテラン勢が固める。

憲兵大尉役の春はるかさんと密偵役の國崎馨さんの男装コンビも様になっていた。
1時間ほど経ったところで流山児さんが登場して換気タイム。
灰田勝彦さんの「燦めく星座」を熱唱。
上演時間1時間51分。
2021-12-15 18:13 この記事だけ表示
友利栄太郎氏(元月蝕歌劇団・映画監督・俳優)の「感想」
有難うございます。
流山児★事務所
「帝国月光写真館」
@ザ・スズナリ(下北沢)

高取英メモリアル第二弾。
元々演劇団の公演のために高取さんが書いた戯曲を流山児さんが再演。

月蝕歌劇団では2016年9月に再演してた。
この時は寺山修司「中国の不思議な役人」とカップリングだったかな。
自分はこの時期しばらく出演していなくて公演は打ち上げだけ行ったのかな。
中身が思い出せない。高取さんはこの後の11月公演中に倒れて入院したのだった。

さて流山児★事務所の「帝国月光写真館」は、J・A・シーザーさんの新曲が散りばめられた高取ワールド炸裂!
躍動感あふれる流山児さんの演出に名優たちが暴れ回る!
期待でワクワクしながらシモキタをぶらつき高取さんに連れて来てもらった喫茶店で開演までの時間を潰す。

前から3列目のど真ん中という特等席でQue曲からガツンときた!
そこからは期待を裏切らないどころか何倍も積んでくる
流山児ワールドがノンストップでたたみかけてくる。
さすがは流山児さん、大好きな高取史観を見事に展開!
これは彼にしかできないかな。
シーザーさんの新旧劇伴が高取ワールドへいざなう!所々森永理科の演出も垣間見れた。

派手な映像の演出は天野さんの影響かな。
最近の流山児さん演出では必ずある。
流山児さん登場の場面は必見!何かは観た人だけが分かる。

大久保鷹さんも重厚な芝居を魅せていた。
伊藤裕作さんもいい味を出していて笑った。
高取月蝕組の國崎馨がイケメン役なのも重要。
なんせ國ちゃんは月蝕歌劇団以外で男役はやったことないはずだから、ここでも高取さんを感じた笑。
これはサイコシスでも同じだったな。
出演者はみんな演劇エリートの俳優ばかりだけど個人的には平野直美さんがよかったね。
森永月蝕で共演した本くんも活き活きとしていていたな。

昨日は大日本帝国がハワイを奇襲して日米開戦が勃発した日。
物語最後の鍵になっている。
決して分かりやすい話ではないんだけど是非観に行ってくれ!
無理なら配信見てくれ!それも見逃したらDVD買ってくれ!





2021-12-15 18:10 この記事だけ表示
演出家:林周一(風煉ダンス)さんの「劇評」

高取英演出芝居は見ていなかった。
つまり月蝕歌劇団。言い訳すれば、いつでもチャンスはあったのに、
見逃したまま行こう行こうと思っていたら高取さんは亡くなられてしまった。

流山児★事務所の芝居も、20年以上前に、長らく見ていなかったが、
最近『オケハザマ』『ヒme呼』とお世話になって、
なんやかや(正しくは天野天街演出作品の何本かは見ていたが流山児★事務所だと後からちゃんと認識した)
そんな自分のこれまでの観劇を、激しく後悔した今日だった。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。
流山児★事務所 高取英メモリアル2021
高取英作『帝国月光写真館』
構成・演出 流山児祥
音楽 J・A・シーザー

「『帝国月光写真館』は、1933年(昭和8年)の女学生2人の自殺に始まった三原山自殺ブームと、
1940年(昭和15年)の怪奇赤マント事件を重ね合わせ
、少年冒険活劇として〈ワイマール体制下の戦前〉を描いた「誰のものでもない記憶」の劇です。
それにしても、この戯曲の先見性に驚きます。
太平洋戦争前夜の昭和ニッポンは《令和の現在》です。
フェイクとSNS差別、分断と格差、唯々諾々と体制翼賛化は進み、改憲勢力は3分の2を占めた〈ワイマール体制下の戦前〉の《現在》を、31歳の若き劇作家:高取英のアナーキーな偽歴史劇が撃つ‼︎

以上、当日パンフレットの流山児さんの挨拶文から抜粋。
間も無く令和も四年になろうとする不穏な今。
まさに芝居の内容は流山児さんの挨拶文に書かれた通りで付け足すことはない。
その中で幻視でもある芝居は、僅かな光「希望」を見ようとする。
高取さんの戯曲は、こんな本は誰にも書けないとばかりに
昭和の歴史風俗芸能文化芸術事件の闇鍋をベースにロマンチシズムの詩情溢れ万華鏡のような台詞で暗黒迷宮に誘う。

それを流山児さんのおもちゃ箱ひっくり返したような構成演出が畳みかける。
「嗚呼!今ならこの面白さがめちゃくちゃ分かるのに!遅きに失した!」
と、観劇しながら今まで見なかった時間、失われた時を思い寂しくなった。

華麗に猥雑に高取英演出作品が上演されていた記憶は観劇した人々の中で息づいているが私には無い。
なんなら平行世界で38年前に高取沼にハマっている自分もいるかもしれない。

だからって僕は、高取さんの戯曲を読んだりはしないのだろう。
舞台で役者が演じている高取演出作品が見たいのだ。
あとはもう、月蝕歌劇団の方々か流山児さんの高取英メモリアル第三弾に頼るしかない。

それにしても今回も感じた流山児★事務所の劇団としての団結力と役者の活きの良さと流山児さんのパワフルさ。
塩野谷さんの哀愁溢れる演技、伊藤 弘子さんの狂気の美しさ、
まるちゃんこと山丸りなの成長著しいのは言わずもがなだが、わたしが前回『ヒme呼』でお世話になった時、毎日,朝から晩まで下働きして支えてくれていた橋口佳奈、松永将典、春 はるか、竹本優希が,活き活きと活躍していてとても嬉しくなった。
春はるかの軍服姿の男装の麗人っぷりは本当に美しかった✨

そして紙芝居屋役の里美和彦さん。良い味出してたなぁわたしの今回イチ推し。
平野 直美ちゃんは歌上手い‼︎もっと聞きたかった‼︎あ!今回、風煉ダンスからは飯塚 克之もめちゃくちゃ頑張ってた!

次回のスズキ拓朗演出 別役実の『不思議の国のアリス』は、出演者もスタッフも一種の異種格闘技戦みたいで今からとても楽しみ。





2021-12-15 18:06 この記事だけ表示
様々なる「劇評」ーTwitterよりB

◎1979
帝国月光写真館観てきました!
フェイクや弾圧など現代でも問題になる事象について考えさせられた舞台でした。
序盤の不穏なシーンから終盤のアクションシーンまで終始ドキドキしてました☺️楽しかった!

◎スーパー猫かわいい人材
楽しいお芝居観てきた。
三原山のは実際にあった話だったのね。
完全に頭の中はオカルトホラーだったけど、終始不穏な中、歌もお芝居も楽しかった。
紙芝居のおじさんのような人が今も必要だ。

◎鳥子@1日目 東A-73a 蛇瓜鳥子
原稿追い込み漁ウィークエンドですが、
これだけは行くんだと思ってた 帝国月光写真館 に行ってきました! 
面白かったーーー! 
曲に圧倒され、演出も仕掛けも素晴らしく、
私の推し竹本さんは発声と動きのキレがますますよくなってたし、歌も上手くなってた。

◎中森明夫(小説家)
昨日は下北沢ザ・スズナリで流山児事務所公演・高取英メモリアル2021
『帝国月光写真館』を観劇しました。
若き日の高取英氏の劇を、流山児祥氏の卓抜な演出で役者の皆さんの躍動感あふれる舞台を堪能!
上演後トークに登壇して高取氏の思い出を語りました。配信あり。お薦め!

◎二度寝仙人
帝国月光写真館、高取アングラ娯楽の傑作、
あのタツオを見たら、赤マントも大量発生するわな 。

◎水上ゆか(女優)
帝国月光写真館 観劇してきました。
三原山事件と「赤マント」の都市伝説とを扱う本作品。 本当に素敵でした…!
所々の台詞を知っていたので「ここに繋がるのか!」という発見ばかり✨
森永理科さんのセーラー服と國崎馨サマの紫シャツは見物! そしてJ・A・シーザーの音楽〜!
映像も!素敵!

◎野滝
そういえば!『帝国月光写真館』観てきた☽・:*
とーっっても面白かったので迷ってる人は行って!
高取さんの戯曲は、優しさと愛と歴史とわんぱくな冒険心に溢れている。
少年少女の視点を借りて、社会を冷ややかな目で見つめ、エンタメに昇華してしまう。好き。

◎白永歩美(月蝕歌劇団2代目座長・女優)
流山児★事務所・高取英メモリアル第二弾『帝国月光写真館』観劇、
そしてアフタートークでした。
演劇団に書き下ろされた初演は四十年以上前ながら、
後の月蝕歌劇団にも繋がる要素が満載……!
少年二十面相は高取処女詩集にも登場。
これを機に高取戯曲に興味を持っていただけますように。

◎松谷康コ
流山児★事務所『帝国月光写真館』を観劇。
初スズナリだったのだけど、年季の入った建物のイメージに反してすげぇ舞台装置演出でビビった。
演者が台詞だけでなく全身を使って観客を楽しませる、
目も耳も喜ぶ娯楽作品。俺は没後のファンだが、
こうやって戯曲が生き続けて行くのは美しいなと感じた。

◎南雲美香
本日は、 高取英メモリアル 「帝国月光写真館」 観て参りました。
光と影、本物になる、夢、ただ手の届く範囲の幸せを願う。
ずっと胸打たれてました。 そして音にハッ…となりました。
そして、守る為に変わっていく事の大切さを感じた気がしました。
赤がビッチリ頭に焼き付いてる。

◎ハル
流山児★事務所公演「帝国月光写真館」を観る。
高取英の作品。 戦時下での紅マントによる少女の誘拐。
このシチュエーションだけでおどろおどろしさがあるが、
これに怪しい博士やら新興宗教やら憲兵やらが加わる。
ある種の時代の匂いというものは現代にも通じる。
このザ・スズナリに相応しい。

◎栗原孝之
流山児さんの「帝国月光写真館」を観ました!
複雑な高取英さんの脚本をやすやすと演じられていて、感心しました…
しかし、「最後まで回る回数が違いましたね」という塩野谷さんと大久保鷹さんのやり取りは笑えたな〜😸

◎卯月なな子
今月3本目の観劇は、流山児事務所の「帝国月光写真館」、
懐かしいような怖いような不思議な世界。
アフタートークのある回で倍楽しんだ。
紙芝居、今では見かけなくなったなぁ。
2021-12-15 18:01 この記事だけ表示
様々なる「劇評」ーTwitterよりA

◎山池拓人
流山児事務所 「帝国月光写真館」 千穐楽を観劇。
昨日は前方、今日は後方気味だったので映像を含めて全体が観られてリピートして良かった!
山丸さんのタツオにはウルウル
住友と西崎のW伊藤さんをはじめ濃いキャラ多かったな。
國崎さんの関口は惚れる…関口含め悪役はコミカルさもあって憎めない。

おそらくDVDになるから絶対に購入する!
配信は来週からの観劇ラッシュがなければ…

◎ヤナ・ヤヌー
社会との対話的表現 今日観た 流山児事務所「帝国月光写真館」
昭和15年頃の日本を舞台に フェイクな差別等を炙り出すような舞台でした。
フェイクな世に向かう支えになるのは タツオのような真っ直ぐな志のように感じました。
アングラ演劇が他のスタイルと一線を画する所以、社会と向き合う姿勢。
それ故「改憲」された暁にはアヴァンギャルドな表現にはこの舞台のようなメスが入るのだろうか。
あの紙芝居のオジサンはドサクサ紛れのみならず表現という「一時の夢」側の回答に思える。

◎三木省吾
流山児★事務所公演の帝国月光写真館を観ました。
高取さん、シーザーさん、流山児さんの想いが昇華された素晴らしい世界は感無量でした。
伊藤裕作先輩も味わい深かったです。現実に戻りたくない気持ちが続いてしまっています。

◎紅藤マイトZ@劇空間ゴウゴー主宰、演出家
流山児★事務所『帝国月光写真館』
@高取英.作 流山児祥.演出 高取英の月蝕歌劇団前の戯曲を初演を演出した流山児祥が演出した作品。
高取が作ったエンターテインメント性と暗黒なファンタジー性高い戯曲を流山児がより高くし、
おもちゃ箱をひっくり返したような活き活きとした作品にしている。

A J・A・シーザーの作曲による歌のミュージカルシーン、
日本兵の二人が女性で華やかな男性という作りになっている所は、
後の月蝕歌劇団では感じるのが薄かった暗黒の宝塚的要素を強く感じ、
それが高取作品をアングラ作品としても独特さを持つのを感じた。

B 敵役、村木博士を初演と同じく塩野谷正幸が演じる。
ベテランゆえに感じる貫禄が敵役としての存在感を強くしていた。
そして、月蝕歌劇団の森永理科。
月蝕団員としての匂いのある演技をしたことで、
演出家は違っても高取作品としての印象を強く印象を付けてくれた。

◎アスタローテ柊
観てきました帝国月光写真館!
初演以来38年振りのスズナリ公演との事ですが、
テンポの良さ、場面転換ごとのメリハリの効いた演出と見どころ満載でした!
そしてなんと言ってもカッコ良すぎる國崎さん!!
密偵関口で誰か外伝作って下さいw 配信もありますのでご興味を持たれた方は是非!

◎ジンゴ
「帝国月光写真館」 を観劇しました。
高取英さんが作られた帝国月光写真館。
38年ぶりにその初演が行われたスズナリでの公演で初観劇できてとても良かったです。
演技、照明、音楽、映像と新しい技術を取り入れての舞台は、
とても流山児さんとこの芝居なので。
月蝕歌劇団だったらどんなだったんだろう?と劇中思いました。

◎おさかな
流山児さんとこの芝居が、色々な演出家との交流の中で、
色々なエッセンス内包してできてて。
最新の芝居は鳥瞰的にもとても綺麗でわかりやすいですね。
観応えがあり、またその内容に色々と考えさせられました。
オープニングから、あー!弘子さんの立ち居振る舞いカッコイイ!!
すげーなぁーと。20年以上拝見してるけど、
毎回力を増してばかり最新版の凄い伊藤弘子さん。
本編も迫力なにももう。 すげぇーなぁー。 それだけで、大満足になる。

2021-12-15 17:54 この記事だけ表示
様々なる「劇評」ーTwitterより @

◎白川沙夜(元月蝕歌劇団:女優)
流山児☆事務所「帝国月光写真館」
作:高取英/音楽:J・A・シーザー/構成・演出:流山児祥
を観た。素晴らしい演出に感涙。
高取さんを原子複製機で産み出したもの、
それはこの舞台でしょうか。
観劇後、高取さん行きつけの喫茶店で、石橋さん横田さんと思い出話に花が咲いた。

◎おもとなお
流山児事務所「帝国月光写真館」観劇。
美しくてカッコよくて、グッときた!
ここがあそこがと言っていると、キリがない。
でもその細かいところがとてもいいのだ。
とくにベテラン陣は立ってるだけでもうそれだけでも素敵だった。
特にオープニング!嗚呼、何度でも観たい!観たい!

あ、ちょっと変な言い回しになった。
細部まで色々好きなとこありすぎて言い切れないって意味です!

◎37564
先日観た流山児★事務所「帝国月光写真館」の威力が凄まじく
時々フラッシュバックするだけでなく昨夜は怪人赤マントが夢に出て来て怖かった!

◎トヨザワトモコ
昨日一昨日とCuebicle『Transcendent Express』と流山児★事務所『帝国月光写真館』を観ました。
前者は2人で会話するシーンって色っぽくて魅力的だよなぁと思いながら観ました。
劇場まで歩きながら口ずさんでた曲が使われててびっくりした(笑) 
後者はどこまで連れてかれてしまうのか分からないのが楽しかった。
三原山ブームとか大好き人間なので大変ホクホクしました…
あの世界観で生きていられる俳優は素敵だ。

◎小原雅志
流山児★事務所公演 高取英メモリアル2021『帝国月光写真館』千秋楽@ザ・スズナリ。
昭和初期を舞台にした歌あり、ダンスあり、アクションありの活劇。
錚々たるベテラン勢を相手に、ラストの長ゼリフをビシッと決めた少年タツオ役の山丸莉菜さんが輝いていた。
換気タイムで流山児祥さんが出てきて歌を披露して場をさらえば、
塩野谷正幸さんと大久保鷹さんの掛け合い(じゃれ合いか、笑)で爆笑を誘う。
ベテラン勢が元気なのも楽しかった。

◎ヤナ・ヤヌー
スケールの大きな作品。
そうか、フェイク、ヘイトとは幻視複写であり、
悲しみや怒りが作り出した無数の赤マントだったのか。
ならばSNSは幻視複製機なのか。
「国体をふたつ作ることは国体維持に反する」というような台詞は面白くもあり恐かった。

◎林周一(風煉ダンス)
『ヒme呼』ぶり @スズナリ。
高取英作『帝国月光写真館』。紙芝居屋役里美さん良い味キラキラ若手も皆活きが良い。
春はるかの男装の麗人美しい。
今まさに幻視複製器は稼働し続け人々の生むフェイク赤マントの増殖は止まらない。
しかしこの世は虚と実。光と闇。芝居もまたその産物なり。

◎有田杏(鹿殺し・野生児童)
流山児事務所『帝国月光写真館』
舞台で久しぶりにOPだけで拍手したくなった。
山丸莉菜 素敵すぎだ。
美しく、力強く、台詞に感情が乗ってて鷲掴みにされた。
若い原石をメインに抜擢する流山児さん流石すぎる。
老舗劇団なのに色々捕われてないのが最高。
映像の使い方も痺れた。世界観に飲み込まれてく感覚。
こういう舞台、後からどんな歴史があるんだろって調べる事多いけど、
最後にちゃんと説明してくれるから劇場で完結してて親切。
舞台上での挨拶もハキハキ明瞭愛嬌有で本当に気持ち良かった!
換気タイムも拍手でした!


◎平沼啓佑
帝国月光写真館を見ました。
作者の故高取さんは関西人らしくギャグと締めはバッチリ! 
そして怒涛の殺陣もグー! 大久保さんと國崎さんのアングラ度満点の演技に-拍手-
そして山丸さんの熱演と換気タイムにアッパレ! 来年も楽しみです!!

◎RANTA☆CRAZY
劇場に行くという贅沢。
映画的やテレビ的な演じるも好きなのだが、
劇場に行くなら【芝居】を観たいのだ。
汗と唾が飛び交う非日常は、日常に振り回されている人にエネルギーをくれる。
大満足!親分自らのマメな告知も素敵だ。

◎音無ねむ
帝国月光写真館 観てきました!
目まぐるしく変わる場面に最後までワクワクしっぱなしでした。
テンポの良さに、歌に、ダンスに、殺陣に、キャラクターに、照明に、
そして何より声・表情・動きに、魅了されました。
かっこよかった!赤が目に焼きつく作品です。

◎mee.no.were
時間と時間、場所から場所へも
この舞台に呼び寄せることが可能なのが小劇場演劇の面白さ、
この作品の面白さ。歌も踊りも刀も銃も派手に動くのが良い。

◎Mari
紙芝居や娯楽も弾圧されてしまう戦前…
自殺ブームを扱っている作品だと知った時は少しビビっていましたがお芝居
、歌、ダンス、殺陣、舞台のセット、音響…全てが絵に描いたような華やかさで…
大迫力な舞台でした…!
時間があっと言う間に過ぎてしまった…現実に戻れない…

2021-12-15 17:49 この記事だけ表示
『帝国月光写真館』長編劇評
BY今村修(演劇評論家)

昨日はマチネで流山児★事務所「帝国月光写真館」
(作=高取英、音楽=J・A・シーザー、演出=流山児祥)@ザ・スズナリ。

2018年11月26日、66歳で世を去った劇作家・高取を偲んで「高取英メモリアル2021」と銘打った公演。
流山児が主宰していた「第二次演劇団」に書き下ろされ、所も同じスズナリで1983年に初演された作品。
その後、高取が主宰した「月蝕歌劇団」でも何度も上演され、代表作の一つとなっている。

噂の怪人赤マントや、マッドサイエンティスト、新興宗教、憲兵隊などがもつれ、
絡み合う昭和15(1940)年の東京を舞台に、少年タツオが活躍するケレン味満載の冒険活劇だ。

街は子供をさらっていくという「赤マント」の噂で持ちきりだった。
日光写真に夢中のタツオ(山丸莉菜)は、影のように彼を慕うサチオ(橋口佳奈)
や紙芝居のおじさん(里美和彦)らと共に噂の謎解きに乗り出す。

その前に立ち現れた、黒ずくめの村上博士(塩野谷正幸)。
彼は、黛憲兵大尉(春はるか)、密偵関口(國崎馨)と連絡を取り合いながら、
三原山自殺事件の生き残り、春子(鈴木麻理)や冬子(平野直美)らを使って、
怪しい実験を繰り返していた。
そんな村上を新興宗教の呪術師・智江(伊藤弘子)や巫女の弥生(森永理科)らが憎々しげに見つめる。

その諍いの源は、かつての中国・漢口。タツオの父大島博士が営む「月光写真館」にあった。
メビウスの環のような戯曲だ。
1940年のワイマール体制下へ、900人を超す追随者を生んだ1933年の三原山自殺事件、
さらに漢口の写真館へと時空間を遡っていると思っていたら、
いつしかそれは、フェイクニュースが乱れ飛び、右傾化が急速度で進む令和の日本を照らしている。

泥沼の戦争へとひた走る帝国日本の物語は、気がつけば日本転覆、
革命幻想のアジテーションへと反転している。
「反転」はこの劇の重要なキーワードだ。

江戸川乱歩から夢野久作、寺山修司と様々なイメージがパッチワークのように引用され、
「幻視複製機」という魅力的な虚構が登場し、日ユ同祖論をはじめ、偽書、偽史の類が跳梁跋扈する。
このサービス精神、この妄想の腕力。

壮大なでっち上げでありながら、それが類い希な博覧強記に裏打ちされているから始末が悪い。
嘘と知りつつ、その内嘘が楽しくなり、どんどん高取ワールドに引き込まれていく。

この世界を得て、演出の流山児も遊びたい放題。
怪しさ全開の疾走感が舞台に溢れ、
それをこの舞台のために新たに作曲したというシーザーの呪術音楽が加速させていく。

初演と同じ役の塩野谷が今も変わらぬ怪演を見せれば、大久保は存在自体が芸の無手勝流で客席を沸かす。
そして、夢見る少年を溌剌と、キュートに演じて刮目の山丸。その喉の強さにも驚嘆した。

(敬称略)


2021-12-15 17:44 この記事だけ表示